INSIGHT NOW! 編集部 / クイックウィンズ株式会社

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今日、12月2日は「日本人が初めて宇宙飛行をした日」です。

1990年12月2日、TBS社員だった秋山豊寛さんがソユーズ宇宙船TM-11で宇宙に飛び立ちました。TBSの創立40周年事業である「宇宙特派員計画」で宇宙特派員に選ばれたのが、秋山さんでした。秋山さんは、ソ連の宇宙ステーション「ミール」に滞在し、実験の様子や宇宙での生活をリポートし、生放送で地上へ伝えました。日本人として初めて宇宙飛行をしただけでなく、世界で初めて宇宙に飛んだジャーナリストなのです。

TM-11で飛び立ち、ミールに滞在し、TM-10で帰還するまで全9日間。ミールでは二ホンアマガエルの生態観察や自らが被験者となる睡眠実験などに参加しました。また、ミールのクルーとの交流、宇宙酔いのレポートなど宇宙ステーション内部の様子を、ジャーナリスト視点でラジオ、テレビ中継しました。彼の撮影した移り変わる地球やミール内部の写真や映像は貴重な資料として活用されています。

この宇宙飛行は、TBSがソ連政府と契約した商業飛行であり、日本の公的な宇宙事業とは異なるものでした。この後、商業契約で宇宙飛行をした日本人はまだいません。

アメリカのスペース・アドベンチャー社によるISSへの観光飛行を希望した日本人実業家の方は、医師団による健康診断の結果、飛ぶことができませんでした。特に地上では問題のない健康状態でも宇宙飛行は無理だと判断されたのです。さらに、スペース・アドベンチャー社でISSへ行くためには、おおよそ2000万ドルの費用がかかるそうです。ごく普通の人が気軽に宇宙飛行ができるようになるのは、まだまだ難しそうです。

一方で、オランダの非営利団体マーズワンは、火星に人類の移住地を作るために活動しています。現在の技術や資金では火星から地球に戻ることはできない「片道切符」であるこの移住には、約20万人もの応募があったそうです。最終的には移住希望者を24人に絞り込み、2025年に最初の4人を火星に送り込む計画だそうです。あとたったの10年です。

秋山さんが日本人初の宇宙飛行を行ってからすでに四半世紀。JAXAの宇宙飛行士は何人もISSに長期滞在し、現在滞在中の油井宇宙飛行士で9人目となりました。宇宙ステーションでのさまざまな実験・研究も進んでいます。この先の10年でどんな世界が開かれるのか楽しみですね。