「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト) / 合同会社RegionWire

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最近は全国各地で移住者誘致合戦が繰り広げられており、各地で独自サイトも次々に立ち上がっているが、役所のHP内ページや一昔前のホームページビルダーで作ったような代物から、独立メディアとして十分成立するような本格的なサイトまで、気合の入れ方はマチマチである。



しかしいずれにせよこれらの地域サイト・ページに訪問してくる人の多くは、既にその地域に興味がある人であり、彼らはある程度候補地を選定したうえで、候補地をさらに絞り込むために「詳しい情報を知りたい」というのが訪問理由だと考えられる。


一方で移住検討者の多くは「移住したい、でも場所は決まっていない」「こんな暮らしを実現するにはどこが適しているか?」という人であるわけだが、それらの人たちは知らない地域、興味がない地域のサイトにはわざわざ訪れることはない。そもそも知らない地域は、その人の頭の中には存在していないわけであり、存在すら知らない地域のサイトに何故訪問することが出来ようか?


となるとそれらの人に対しては「地域サイト」ではなく、まずはその地域の存在に気づいてもらい、興味を持ってもらったうえで「地域サイト」へ誘導する、そのための“前段階の施策”や“導線”が必要になってくる。そして「興味を持ってもらう」ための情報と、「詳しい情報を知りたい」というニーズに対する情報は異なり、それぞれに対して適切な情報提供が求められる。


つまり「どこにしようかな」という人と「詳しい情報を知りたい」という人は異なる属性であり、それぞれに対して提供する情報の性質は異なるし、また「知ってもらう」「興味を持ってもらう」から「詳しい情報を知りたい」と変容していくうえでの導線が必要になってくる。



そして実際に行ってみて、地域の様子を目で確かめたり、地元の人と触れ合ったりしたうえで「ここにしよう!」「ちょっと違うかな」と最終判断するわけだ。


どんなに世の中が便利になろうと、人の心理プロセスはそうそう変わらない。ECサイトのように「移住希望時期」「人数」などの項目を入力して「決定」をクリックする、そんな形で移住が決まるわけはないのだ。


したがってそれぞれの段階において適切な施策を講じるとともに、それらを一気通貫にする導線設計が求められるのである。