秋季大会で見つけたキラリと光る逸材は?藤平、北村、峯村など要マーク!

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 来春のセンバツを目指し、全国各地で秋季大会が開催されている。今回は、編集部が秋季大会で見つけたキラリと光る逸材たちを一挙紹介!まずは、投手から紹介していこう。今大会は、速球派右腕の活躍が目立っている。

速球派右腕の活躍が目立つ秋季大会

藤平 尚真(横浜)

 注目を集める速球派右腕の中でも、トップクラスの実力を持つのが藤平 尚真(横浜)だ。下半身主導の完成度の高いフォームから繰り出す常時140キロ前後の速球、カットボール、チェンジアップ、スライダー、カーブをコントロール良く投げ分ける姿は、すでに同学年の投手の中でも、ずば抜けている。順調にいけば、そのままドラフト上位候補として来年は期待できる逸材となる。

 藤平と同等の速球を投げ込むのが、北村 朋也(東海大相模)。キャッチボールからスピンがかかった高回転のボールを投げ込んでいた北村は、マウンドでは常時140キロ〜144キロの速球を投げ込んでおり、ストレートは1学年上の吉田 凌よりも速くなっていたころから、あとは1年かけて変化球の精度を磨いたり、投球のバリエーションを増やすことでさらに楽しみな投手となりそうだ。

 また、9月20日の秋季千葉県大会1回戦(対柏日体)で、常時140キロ・最速142キロのストレート、そしてカットボール、スライダーのコンビネーションで快投を見せた島 孝明(東海大望洋)も来季へ向けて注目したい投手。

 愛知県からは1年生時から騒がれた東邦の藤嶋 健人がエースで主砲という立場でチームを牽引する。投げては140キロ以上の速球で圧倒し、打者としても、9月22日の秋季愛知県大会準決勝では逆転3ランを放ち、勝利に貢献した。東海大会の注目株となるはずだ。

 また福岡県では、この夏、九産大九州を抑えて完封勝利を挙げた濱地 真澄(福岡大大濠)に注目。上沢 直之 (北海道日本ハムファイターズ・2012年インタビュー 2015年インタビュー【前編】 【後編】)を彷彿とさせるような投球フォームから繰り出す130キロ後半のストレートの伸びは素晴らしいものがあり、この秋全国屈指の逸材である。投球をまとめるセンスがあり、来年、このまま順調に伸びていけば、ドラフト上位候補に挙がる素質は秘めているだろう。

 秋季兵庫県大会では姫路工を相手に1回戦負けを喫したが、才木 浩人(須磨翔風)のエンジンの大きさは兵庫県トップクラス。同試合では最速139キロだが、しっかりとパワーアップすれば、145キロ前後までスピードアップする可能性を秘めている。

 もちろん、左腕でも好投手は多かった。その中でも、早川 隆久(木更津総合)が頭一つ抜けている。出所が見難いフォームから繰り出す直球は常時130キロ〜135キロで、好調時は140キロも計測する。このストレートに多くの打者が差し込まれ、さらにスライダー、カーブも織り交ぜて、手も足も出ない打者が多かった。このままストレートのレベルが一歩ずつレベルアップすれば、来年のドラフト候補となっていく投手だろう。

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[page_break:野手は1年生を中心に逸材が集まる]

 今年の左腕は早川に限らず、135キロ前後の速球に加え、キレのある変化球を投げられる投手が多く、名前を挙げると左スリークォーターから130キロ後半の速球、スライダー、チェンジアップで勝負する堀 瑞輝(広島新庄)、長身から角度ある135キロ前後の速球、カーブで勝負する長谷部 銀次(中京大中京)、鋭くスピンが効いたフォームから繰り出すキレ味抜群の速球で勝負する主島 大虎(報徳学園)も注目の左腕だ。

 また今夏の選手権大会ベスト8入りを果たし、先日の秋季埼玉県大会3回戦早大本庄戦では19奪三振の快投を見せた140キロ左腕・高橋 昂也(花咲徳栄)も、さらに期待を集める投手となるだろう。

野手は1年生を中心に逸材が集まる

峯村 貴希(木更津総合)

 打者では秋季都大会ブロック予選で2試合連続本塁打を放った清宮 幸太郎(早稲田実業)をはじめ1年生の逸材が目立っている。

 その中でも、注目は木更津総合の4番山下 輝、6番峯村 貴希の1年生コンビだ。2人は長打力、打撃技術に非凡なものがあり、山下は低めの変化球に食らいつくしぶとさと、打球の速さが魅力。また峯村は広角に打球を飛ばせる技術があり、秋季千葉県大会一次予選2回戦の拓大紅陵戦で甘いカーブを捉えてスタンドインさせた当たりは見事であった。

 東京都では東海大高輪台の宮路 悠良(1年)、青木 海斗(1年)の強打者2人が目を引いた。2人とも左打ちの強打者だが、なんといってもスイングが鋭く、またスピードが速い。まだミスショットが多いが、しっかりと芯で捉えた時の打球は速い。打球を合わせる技術を身に付けていければ、さらに怖いバッターとなりそうだ。

 また秋季東海大会出場を岐阜県2位代表で決めた中京のスラッガー・今井 順之助は10月以降、大きく話題になりそうな選手だ。秋季岐阜県大会初戦から準決勝の市立岐阜商戦までの4試合連続で本塁打を放ち、東海地区屈指のスラッガーとして相応しい実績を残しており、今後も大爆発が期待される。同じ東海地区では中京大中京の巧打堅守の遊撃手・佐藤 勇基、巧みなバットコントロールがウリの内藤 諒一が注目だ。鹿児島県では鹿児島実の綿屋 樹が指宿商戦で2打席連続本塁打を放ち、今年の鹿児島県を代表するスラッガーとして今後の活躍に注目だ。

 今回は各地区の秋季大会の折り返し地点での逸材レポートのため、本来はまだまだ全国に高い実力を持つ選手たちは多いが、引き続き、センス溢れる1年生、2年生プレーヤーを紹介していきたい。

(文=河嶋 宗一)

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