【インタビュー】槙野智章「サッカー人生で辛かったことなんてない」
アグレッシブなプレーで相手からボールを奪ったかと思うと、いつの間にか相手ゴール前でパスを受けるとゴールを決める。浦和レッズのDF、槙野智章は不思議なプレーヤーだ。ユニークなのはピッチの上だけではない。プライベートでは流行の先端を愛し、海に通い、変わった下着を身につける。陽気で元気、トーク力も抜群のエンタテインメント系サッカー選手が、自分自身をたっぷり語ります。
撮影/松岡健三郎 取材・文/森雅史
――サッカーを始めたキッカケは?
ふたりの兄も、父親もサッカーをやっていましたから、自然にそうなりましたね。でも、兄がいた自分の小学校のチームは4年生にならないと入れなかった。隣町のチームは1年生でも入れたので、兄とは別のチームになりましたが、そこまで通いました。
――隣町まで2キロ以上あります。小学1年生のころから自分で通っていたのですか?
歩いて行ってました。帰りは迎えに来てもらってたけど。遠いなんて全然思わなかったですね。サッカーをやりたかったし、サッカーをやれる環境があるならば、自然に体は動いていたので。
――ポジションは?
中学1年まではずーっとFWです。今でも攻撃するし、練習もするから得点感覚は研ぎ澄まされてますよ(笑)。当時、FWをやっていてよかったですよね。
――これまでの自分のサッカー人生で、一番うれしかったのは何ですか?
やっぱりプロになったときですね。あの瞬間のことは今でも忘れません。高校3年生、2学期の中間テスト期間中に、学校から帰ったら親から部屋に呼ばれて。行ってみると当時のサンフレッチェ広島の強化部長がいらっしゃっていました。「ちょっと話があるから」と言われて、オファーを受けて、握手を交わしました。
――プロになれるという確信はありましたか?
それが、オファーが遅いほうだったんですよ。同じ年代では、夏の大会の前に昇格の話が出ている選手が何人かいたので、もしかしたら声がかからないかもしれないと思っていたんです。もし広島でダメなときは、他のチームに声をかけてほしいと思っていました。
――喜びもひとしおですね。
プロになれるということで、ようやく自分がやってきたことが報われたと思いましたし、親への感謝と、恩返しができたというふたつの気持ちがありました。
――では、これまでの自分のサッカー人生で一番辛かったことは?
これね、格好つけているわけじゃないんですけど、サッカーをやっていて辛かったことなんてないんです。試合に出られないとか、J2降格も経験しましたし、自分のマークに外されて決勝点を決められたこともありましたけど、どれを取っても、自分にとって必要なことだったし、本当にすべていい経験ですよ。
――ドイツに移籍していた2011〜2012年は、あまり試合に出してもらえませんでしたが、それも含めて?
いい質問ですね。確かに出られなかったけれど、辛いとは思いませんでした。試合に出られないことが失敗だと思っていないし、今でもドイツに行ったのは良かったと思っていますから。結果を出したから成功、試合に出たから成功じゃなくて、自分のその後の行動は、そこで何をしたかで変わるので。
――ドイツに行ったのも財産になった。
今思えば2011年にドイツへ行き、いろんな人と出会ったし、ドイツのサッカーを学べたし、視野も広がった。試合には出られなかったけど、あの経験が今の自分を支えています。だからサッカーをやっていて辛かったことは、僕にはないです。
――試合前に必ず行う儀式みたいなものはありますか?
赤いふんどしを履くこと。今、巷じゃちょっと有名です(笑)。履いているのは去年ぐらいからですね。
――どうしてふんどしを履こうと思ったのですか?
ロッカールームでチームメイトを見ていると、試合前に集中しすぎている選手が多いことに気付いたんです。こうしないといけない、このチャンスをモノにしなければいけない。そういう考えが絡まっちゃって、体がガチガチになってる。本当は試合前に緊張を緩和できないとパンクしちゃうんですよね。
――緊張している選手たちに、ふんどしを見せてリラックスさせようと(笑)。
自分が脱いだときに、他の選手が「ふんどしかい!」と突っ込んできて、ちょっと笑みがこぼれれば、それで肩の力が抜けるかなって思って。あとはふんどしを締めて自分も締めて、チームの士気を高めて。風水的にも赤い下着を履くことはいいと言いますよね、後付けですけど。日本代表でも履いてますよ。
――試合前に聴く音楽は?
たくさんありますよ。チーム内では「DJマキノ」で活動しているので(笑)。音楽の好みはかなり尖っていると思います。チームでも代表でも、試合の前とかいつも僕が音楽を流しているので。
――どういう選曲なんですか?
たとえばスタジアムに向かうバスの中で、「活躍して欲しいな」とか「緊張しているな」という選手を見つけて、彼の年代とか好きな曲を流してリラックスさせたりとか。ピンポイントで合わせたりしています。
――最近の曲でオススメはありますか?
テレビ番組『アナザースカイ』(日本テレビ系)の中で、パンチェッタ・ジローラモさんがナポリに行った回の挿入曲がすごくいい曲だったんですよ。誰も知らなかったのですが、あらゆる手段で調べて手に入れました。それがたしかiPhoneに……、えっと……、あ、iPhoneには入ってなくてiPadのほうだったので、曲名わからないです。すみません(笑)。
撮影/松岡健三郎 取材・文/森雅史
忘れられない「プロになった瞬間」
――サッカーを始めたキッカケは?
ふたりの兄も、父親もサッカーをやっていましたから、自然にそうなりましたね。でも、兄がいた自分の小学校のチームは4年生にならないと入れなかった。隣町のチームは1年生でも入れたので、兄とは別のチームになりましたが、そこまで通いました。
――隣町まで2キロ以上あります。小学1年生のころから自分で通っていたのですか?
歩いて行ってました。帰りは迎えに来てもらってたけど。遠いなんて全然思わなかったですね。サッカーをやりたかったし、サッカーをやれる環境があるならば、自然に体は動いていたので。
――ポジションは?
中学1年まではずーっとFWです。今でも攻撃するし、練習もするから得点感覚は研ぎ澄まされてますよ(笑)。当時、FWをやっていてよかったですよね。
――これまでの自分のサッカー人生で、一番うれしかったのは何ですか?
やっぱりプロになったときですね。あの瞬間のことは今でも忘れません。高校3年生、2学期の中間テスト期間中に、学校から帰ったら親から部屋に呼ばれて。行ってみると当時のサンフレッチェ広島の強化部長がいらっしゃっていました。「ちょっと話があるから」と言われて、オファーを受けて、握手を交わしました。
――プロになれるという確信はありましたか?
それが、オファーが遅いほうだったんですよ。同じ年代では、夏の大会の前に昇格の話が出ている選手が何人かいたので、もしかしたら声がかからないかもしれないと思っていたんです。もし広島でダメなときは、他のチームに声をかけてほしいと思っていました。
――喜びもひとしおですね。
プロになれるということで、ようやく自分がやってきたことが報われたと思いましたし、親への感謝と、恩返しができたというふたつの気持ちがありました。
――では、これまでの自分のサッカー人生で一番辛かったことは?
これね、格好つけているわけじゃないんですけど、サッカーをやっていて辛かったことなんてないんです。試合に出られないとか、J2降格も経験しましたし、自分のマークに外されて決勝点を決められたこともありましたけど、どれを取っても、自分にとって必要なことだったし、本当にすべていい経験ですよ。
――ドイツに移籍していた2011〜2012年は、あまり試合に出してもらえませんでしたが、それも含めて?
いい質問ですね。確かに出られなかったけれど、辛いとは思いませんでした。試合に出られないことが失敗だと思っていないし、今でもドイツに行ったのは良かったと思っていますから。結果を出したから成功、試合に出たから成功じゃなくて、自分のその後の行動は、そこで何をしたかで変わるので。
――ドイツに行ったのも財産になった。
今思えば2011年にドイツへ行き、いろんな人と出会ったし、ドイツのサッカーを学べたし、視野も広がった。試合には出られなかったけど、あの経験が今の自分を支えています。だからサッカーをやっていて辛かったことは、僕にはないです。
緊張しているチームメイトを和ませようと…
――試合前に必ず行う儀式みたいなものはありますか?
赤いふんどしを履くこと。今、巷じゃちょっと有名です(笑)。履いているのは去年ぐらいからですね。
――どうしてふんどしを履こうと思ったのですか?
ロッカールームでチームメイトを見ていると、試合前に集中しすぎている選手が多いことに気付いたんです。こうしないといけない、このチャンスをモノにしなければいけない。そういう考えが絡まっちゃって、体がガチガチになってる。本当は試合前に緊張を緩和できないとパンクしちゃうんですよね。
――緊張している選手たちに、ふんどしを見せてリラックスさせようと(笑)。
自分が脱いだときに、他の選手が「ふんどしかい!」と突っ込んできて、ちょっと笑みがこぼれれば、それで肩の力が抜けるかなって思って。あとはふんどしを締めて自分も締めて、チームの士気を高めて。風水的にも赤い下着を履くことはいいと言いますよね、後付けですけど。日本代表でも履いてますよ。
――試合前に聴く音楽は?
たくさんありますよ。チーム内では「DJマキノ」で活動しているので(笑)。音楽の好みはかなり尖っていると思います。チームでも代表でも、試合の前とかいつも僕が音楽を流しているので。
――どういう選曲なんですか?
たとえばスタジアムに向かうバスの中で、「活躍して欲しいな」とか「緊張しているな」という選手を見つけて、彼の年代とか好きな曲を流してリラックスさせたりとか。ピンポイントで合わせたりしています。
――最近の曲でオススメはありますか?
テレビ番組『アナザースカイ』(日本テレビ系)の中で、パンチェッタ・ジローラモさんがナポリに行った回の挿入曲がすごくいい曲だったんですよ。誰も知らなかったのですが、あらゆる手段で調べて手に入れました。それがたしかiPhoneに……、えっと……、あ、iPhoneには入ってなくてiPadのほうだったので、曲名わからないです。すみません(笑)。