仙台育英vs仙台一

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新生・仙台育英が船出

完投した仙台育英・大崎 柊弥

 今夏の甲子園で準優勝した仙台育英の新チームが初の公式戦に挑んだ。雨の影響でシートノックはなし。8時33分にプレーボールした試合は、雨により2度、中断した。ゲームセットは12時30分。約4時間にも及んだ試合だったが、仙台育英が8対1の8回コールド勝ちを収めた。

 仙台育英の先発は背番号1を付ける2年生右腕・大崎 柊弥。今夏の宮城大会ではベンチ入りしていたが、甲子園ではボールボーイだった。大崎は1、2回を三者凡退に抑えたが、雨脚が強まった3回、一死から四球を出した後、2連打を浴びた。満塁とし、「初めてのピンチで焦った」と振り返ったが、後続を連続三振に切って取り、ピンチを脱した。4、5回も三振や内野ゴロで三者凡退と好投した。

 一方、攻撃は初回から機能した。1年生ながら甲子園でもヒットを放った1番・西巻 賢二がレフト前ヒットで出塁すると、2番・譜久村 慧斗が二塁打を放った。無死二、三塁で、3番・佐藤 達輝の二ゴロの間に西巻が先制のホームイン。4番・斎田 海斗のライト前タイムリーで2点目を奪った。2回には二死二、三塁から西巻がセンター前に2点適時打を放った。

 3回以降はヒットで出塁するものの、タイムリーにつながらず、ゼロ行進。「もっとピッチャーを回していきたかった。(仙台一の打線が)大崎に合っていなかったので、もう1点を取ったら交代するつもりだったが、もう1点が入らなかった」と佐々木 順一朗監督。

 点が入ったのは、8回裏。4点を奪ってサヨナラコールド勝ち。佐々木監督は他の投手陣にも経験を積ませたかったが、思い通りには進まず、大崎が完投した。

 20日に甲子園決勝を戦い、21日に帰仙した。本格的に新チームとして練習できたのは23日からだった。甲子園前には3年生対1、2年生で、3年生が甲子園に出発してからは1、2年生で紅白戦を行っており、実践感覚は養ってきた。しかし、対外試合経験は少ない。その上、セカンドの瀬戸 泰地主将、ショートの西巻は甲子園のメンバーに入っていたため、連携などに不安を残したまま試合に臨んだ。

 3年生は甲子園準優勝という置き土産を残した。「甲子園準優勝はあくまで3年生が作ってくれた結果。(この試合は)挑戦者という気持ちで臨んだ」と瀬戸主将。佐々木監督も「3年生の技術を受け継ぐのは大変だけど、魂であるとか、気であるとか、そういうものは受け継げる。前のチームと比較をするのは大変。先輩たちのような試合はできないが、自分たちの試合を作っていくことはできる」と話した。

 新チームは始まったばかりで、まだ手探り状態。雨による計2時間3分の中断があった波乱の幕開けとなったが、2年生を中心とした新生・仙台育英は、どんなチームを作っていくのだろうか。

(文・高橋 昌江)

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