鈴木拡樹、自称“不器用男子”の恋と本音「連絡をマメにとるのが苦手なんです(笑)」

「不器用さ」を活力に変えて
――鈴木さんの性格についてお伺いします。ご自分では、長所と短所は何だと思いますか?
両方ともに、不器用なことだと思います。不器用さがいつも壁であって。でも不器用だと自覚していることが活力になるんです。壁にぶち当たっても、「焦らなくていい」「ひとつひとつクリアしていけばいい」っていう前向きな姿勢になれますから。
――不器用さゆえにぶち当たった壁というのは?
壁には常にぶち当たってるんですけど、一番大きかったのはデビュー2年目に、初めて任された主演に対して、何もできなかったこと。座長として、周りのキャストを上手く導く方法を知らなかったんですよね。
――今は、どういう座長を目指しているんですか?
チームや座組ごとにキャストのタイプも違うので、みんなを見て、どうしたら全体がまとまるのか考えます。僕は先頭を切っていくのは苦手で…。そういう部分では、凛々しくガンと立っている座長さんとは違うと思いますが、僕に合ったスタイルで僕らしく、座長の務めを果たそうと思っています。
――最近は2.5次元系の舞台にも多く出演している鈴木さんですが、役作りをする際に意識していることは?
2.5次元系の舞台に限らず、役になりきるというよりも、与えられた役をどれだけ理解できるかが大事だと思っています。
――具体的には、どうやって理解を深めていくんでしょう?
原作を読み込むのは当たり前。その上で、そのキャラクターがどんな人物で、どんな行動をするか、あらゆる場面で想像し続けるんです。たとえば、目の前にコップが置いてあったとして、それをどう取るのか、とか。
――なるほど。コップの取り方ひとつでも、人によって違いますもんね。
2.5次元の舞台が特殊なのは、原作を知っている人からしてみたら、もう頭の中に「答えがある」ことなんですよね。だから、細やかな気遣いの部分は意識しないといけないと思います。
――イメージを崩さないように?
そこが難しくて、イメージ通りにやりすぎると「似てる」って評価で終わってしまうんです。作品の評価を受けるためには、その「似てる」を超えるために、崩さないといけない。その繊細な加減が難しいんですよね。

――2.5次元系舞台ならではの魅力ってなんでしょうか?
「2.5」って言葉がまず面白くて、舞台を作る上でもヒントになってると思うんです。実際、僕たちが作品を作っているときって、2次元のほうに近づけてるときもあれば、3次元のほうに近づけるときもあって。つまり、2.5じゃなくて、2.3だったり、2.7だったりするんですよ。
――作品によって、方向性の振れ幅が違うんですね。
そういう絶妙なところを狙ったほうがいい作品もあるので、演出家さん含め、キャストのみんなとバランスを探り合ったりしますよ。
――鈴木さんが役者をやっていて「楽しかった」「良かった」と思うのは、どんな瞬間ですか?
やっぱりお客さんから評価をもらったときが一番かな。カーテンコールの瞬間はグッと来るものがあります。でも、自分が演じる役について想像を巡らせている時間もすごく好きです(笑)。

ランニングは「趣味」というより「癖」
――先ほどからお話をいろいろ伺っていますが、大阪出身なのに関西弁が出ないですよね。
これは自分でも不思議なんですけど、地元の友人や家族に対しては関西弁なんです。でも東京にいるときは自然と標準語になるんですよ。
――役者仲間やご友人からは、どんな性格だと言われますか?
あまり捉えどころがないって言われますし、自分でもそう思います(笑)。
――すごく穏やかなイメージなんですが、最近怒ったことはありますか?
うーん…怒ることってないかも(笑)。
――そういう性格はご家族譲りなんでしょうか?
どうなんでしょう…年齢が4つ離れている姉はすごくしっかりしていて、僕より男らしいんですけどね(笑)。
――では、最近ハマっている趣味などありますか?
無趣味な時期もあったんですが、今はインテリアに興味があって、家具を買い替えたりしています。
――どんなお部屋なんですか?
統一された雰囲気の部屋が好きで、今はアジアンテイストにしてみようかと。実家にいた頃は近未来系の家具を揃えてみたんですが、大失敗しちゃって。ギンギラな感じで、まったく落ち着かなかったです(笑)。
――確かに、目がチカチカしそうです(笑)。模様替えしたら、お友達を呼ぶのも楽しそうですね。
それが、誰を呼ぶこともなく、Twitterに写真をあげるわけでもなく…。完全に自己満足です(笑)。


――インテリアのほかにハマっていることは?
昔から、ランニングが趣味です。趣味というか、癖。走りたくてムズムズするんです(笑)。多少の雨でも行っちゃいます。
――どれくらいの時間、走ってるんですか?
気が済むまで走るので、だいたい1時間くらい。昔は2時間とか平気で走っていたんですけど、体力が落ちてきたのかなって若干不安になります(笑)。
――走っているときは音楽を聴きながら?
無音ですね。走りながらいろいろ考えていますよ。お仕事とまったく関係ないことも。「雨の匂いがするから、明日はたぶん雨が降るな」とか(笑)。
――休日は何をされていますか?
ほとんど家で寝てます。休みの前日は、目覚ましをかけないで寝るんです。DVDを借りて映画を見ようかな、体動かしに出かけようかなとか、いろいろ計画は立てるんですけど、結局寝倒してしまう(笑)。
――ご自宅で過ごされるとのことですが、自炊されるんですか?
毎日はできないですが、最近、食器を全部買い直したところなので、頑張ろうかなって思っています。
――お酒はあまり飲まないんですよね?
そうなんです。そんなに強くないし、お酒の楽しみ方もよくわからなくて。
――お酒よりは、やっぱりカフェラテ?
カフェラテは好きです。昔、コーヒーが苦くて飲めなかったんですけど、カフェラテは飲めて。「これは飲めるぞ」って思ったら嬉しくなって、そこからずっとハマってます(笑)。最近は、ブラックも飲めるようになったんですけどね。