「お互いがいなければ生きていけない」90代の老夫婦、2時間差で天に召される(画像はイメージです)

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大病との闘いの末、夫には間もなくお迎えが来る。安心してあの世に旅立てるようにと妻は夫の手を握りしめていた。何十年と愛し合い、いたわりあって生きて来た90代の夫婦の不思議な臨終の話題がニュージーランドから飛び込んで来た。

このほどニュージーランドのウェリントン郊外にある「エルドン・ロッジ療養所」で、ある夫婦が2時間差で息を引き取った。結婚生活は67年間。それは愛し合っていた夫ヒュー・ニーズさん(94)の闘病を支え、ついに死が訪れるとそれを看取った妻のジョアンさん(92)。そのたった2時間後にジョアンさんは脳卒中で倒れ、ヒューさんのあとを追うかのように息を引き取ったという。

「私たちはお互いがいなければ生きていけない。」

ニュージーランド・ヘラルド』紙の取材に、「常日頃からそんな言葉をよく口にする夫婦でした」と語ったのは、2人の子供であるロバートさんとジョイさん。「両親を次々と喪って私たちは喪失感と悲しみでいっぱいですが、本人たちにとっては幸せな旅立ちであったのだと思います。奇跡としか言いようがありません」などと語っている。

ヒューさんとジョアンさんの長い人生は楽しいことばかりではなかった。5人の子供に恵まれたがそのうち2人に先立たれ、可愛がっていた孫の1人はアルゼンチンで強盗に撃たれて亡くなっていた。その療養所に夫婦揃って入所したのは2か月前で、共に体力その他の衰えを感じたという理由からであった。

本当に仲の良い夫婦とは、年齢を重ねれば重ねるほどいつも一緒にいたいと思うものなのであろう。昨年5月には、英ハートフォードシャーの60代の夫妻が同じ病院で2時間違いで息を引き取り、あまりの夫婦仲の良さに遺族は2人で横たわれる広幅の棺を注文。一緒に火葬されて大きな話題となった。

※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)