これが高級食材カメノテ!

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カメノテという単語、高知に行って初めて知りました。その名の通り、亀の手に似ていることからつけられたというこの生き物、いったいどんなものなんでしょう。

調べてみると、カメノテは日本各地に生息する甲殻上綱顎脚フジツボ亜綱完胸目ミョウガガイ科の一種でした。カンタンに言えばフジツボの仲間だそう。高知の地元の人に聞くと、「ちょっと険しい海辺の岩にはどこにでもいるはずだよ。ほらそこの海でも子供の頃はよく捕った」のだとか。

生息範囲は広く、日本でも関東以南、山陰から四国九州では食用ですが、わざわざ漁師が捕りに行くことはありません。あくまで地元の人々がついでに捕ってくる食材なのです。

ということでこの地元のおっちゃんがカメノテを捕りに行ってくれました。海面ギリギリのところに生息していて、比較的誰にもでも見つかりますが、岩から剥がすのには一苦労。それなりの道具を持っていないとなかなか捕れません。

こんなに気軽に捕れるので地元では誰も欲しがらないし買うこともないもの。でもテレビで珍味として取り上げられ、ネットではそこそこ高値で売られています。

では、捕ってもらったカメノテをちょっと塩ゆでにしてみましょう。
よく洗って海水程度の塩水でゆでます。ゆで時間がよくわからないので、10分ほどゆでてみました。冷水に入れてさっそく実食です。確かにカメノテの殻は、カニや海老と同じような感触。小さいので食べにくいですが、殻は意外にすぐ外せました。味は、みっちりした貝の味。確かに酒のつまみになりそうな珍味です。

レストランのシェフによれば、カメノテはスペインのガリシア地方では滋養強壮にきくとして有名だそう。「ベセルベ」と呼び男性に人気の高級食材なのだとか。築地の卸売市場には珍味として売られていて、和食の店でもたまに出てくることがあるそうなので、見かけたらぜひ試してくださいね!