10日、決算説明会でアナリストの質問に答えるサイバーエージェントの藤田社長(撮影:吉川忠行)

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サイバーエージェント<4751>の藤田晋社長は10日、東京都千代田区の丸の内トラストタワーで行ったアナリスト向けの中間期決算説明会で、技術者の採用強化にともない、転職を希望するライブドア社員を積極的に受け入れる考えを明らかにした。

 同社は、ブログを中心としたポータルサイト「アメーバ」を6月に全面改良する予定で、これまで全社員の8%程度に止まっていた技術者を充実させる方針。20人程度の採用枠を設ける。藤田社長は、ブログ事業で競合するライブドアの技術者について「さらってきても欲しい」と述べた。

 ライブドアで広報を担当していた元社員、乙部綾子さんも4月に、同社のサービスを活用して個人ブログを開設。開設初日には59万ページビューを記録し、同社のブログサイトの訪問者増をけん引している。

 藤田社長は、前日9日に発表した2006年3月中間期の連結業績について「普通。想像以上に良いわけでもないし、悪いわけでもない」と総括。「(集中的に投資をしている)メディア事業が多角的に展開しているだけに、EC(電子商取引)事業など他が鈍化しがち」と課題を挙げた。

 中長期的には、メディア事業の拡大、広告収入増で、08年9月期までに売上高1000億円(05年は432億円)、営業利益200億円(同26億円)を目指すと強調。「買収は企業文化的に苦手」とし、電通や博報堂など他社と事業提携して進めてきた拡大戦略を継続していく考えを示した。

 参入が相次ぐネット金融事業については、「チャンスがあれば、銀行や証券への参入も考えている」と意欲を示したが、野村証券系のネット専業証券が最低水準の手数料体系を設定したことにからみ「ネット証券は競争が激しく、レベルが上がっていると感じている」とも述べた。【了】

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