「あれ? これ、合成じゃね?」「いや、これはまじっぽい」

 アイドルの卑猥な画像を前にこんな話しをするのが、わりと日常的になりつつある昨今(え、僕らだけ!?)。しかし、もうそんな時代は過去のものになるのかもしれない。

 アメリカ・ニューハンプシャー州ダートマス大学のハニー・ファリド教授が運営する研究チーム「イメージ・サイエンス・グループ」は、写真の修整を見破るソフトを、半年以内に発表すると述べている。なんだかとっても実用的な研究だけど、目では分からないようなきわどいインチキを、どうやって見極めるのだろう? 某ソフト開発技術者にインチキ画像の詳しい見極め方について聞いてみました。

 「例えるならば、ソフトによって切り貼りした写真の中に、『のり』のあとを探す作業ですね。いくら人間の目をあざむけたとしても、ピクセル単位で写真を覗いていくと、よくできた修正写真の中にも不自然な点がたくさん見つかるはず。理論上は、世の中にあふれるすべての修正写真のウソを見抜くことが可能でしょう」

 ふ〜ん、すごく細かい話だ・・・。違う2枚の写真を組み合わせて1枚のインチキ写真を作るとき、光の差し方に不自然な箇所ができることが多いという。そういえば、影の向きが違うからおかしい、とかよく聞く話ですよね。僕らの目では見逃しがちなそういった不自然さを、現在開発中のソフトが簡単に見極めてくれるそうだ。でも、今度は「インチキ画像を発見するソフトをあざむくインチキ」も現れたりして。いやはや大変だ、気が遠くなるよ・・・。

 そうは言っても写真のインチキを見破るソフトができれば、実生活の中でとても役立ちそう。インチキを見抜けるようになるということは、本物の写真も見分けられるようになるということ。犯罪の証拠写真の真偽を証明する場合など、実用的な使い方もできると思うので、ここはひとつ、海の向こうの研究チームの動向を見守りたい。(梅田カズヒコ/verb)