9月にオープンする路上生活者の緊急一時保護センター「千代田寮」。(撮影:佐谷恭)

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東京都と特別区(23区)は30日、東京都千代田区の外濠公園に来月オープンするホームレスのための緊急一時保護センター「千代田寮」を報道機関に対し事前公開した。

 同寮は、都と特別区が整備した10番目の施設。都内には千代田寮のほか、4カ所の緊急一時保護センターと5カ所の自立支援センターがすでに設置されている。10施設で1029人が、都の支援を受けながら社会復帰に向けての準備ができる。

 千代田寮は2階建てで、のべ床面積645.91平方メートル。定員10−16人の生活室が5部屋あり、男性62人が滞在できる。食堂兼談話室や洗濯室、浴場のほか、健康チェックをする医務室や自立支援のための面談をする相談室が設けられている。同寮の建設費は約1億2000万円、05年度予算は施設運営費と給食費などで約9200万円。利用者の負担はなく、東京都が費用の半分を負担し、残り半分を23区が均等負担する。

 緊急一時保護センターでは路上生活者の早期の社会復帰を促進するために、ホームレスを一時的に保護し、心身の健康回復を図ることを目的とし、原則として1カ月以内の間、宿所や食事の提供のほか、生活相談や健康診断をする。自立支援センターでは、就労によるホームレスの自立を促進するために、保護センター入所者のうち就労意欲があり、心身の状態が問題ないと認められた人に、就職や住宅などについての相談を行う。【了】

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