アメリカやスペインといった先進国でもエボラ出血熱に二次感染・三次感染したと思われる人が出てきて、パンデミックに発展しないよう感染拡大を押さえ込むことが急務となっています。パンデミックを押しとどめることが急務とされていますが、そんな張り詰めた状況にも関わらず、エボラ出血熱の患者を搬送する医療関係者グループの中に、防護服などを着けていない人物がいたことが報じられ話題になっています。

'Clipboard Man' Without a Hazmat Suit at Ebola Flight Explained - ABC News

http://abcnews.go.com/Health/clipboard-man-hazmat-suit/story?id=26235850

The media is doing an awful job explaining Ebola, and #ClipboardMan is proof | The Verge

http://www.theverge.com/2014/10/16/6987711/the-media-awful-job-explaining-ebola-and-clipboardman-is-proof

ABC Newsで報道された「クリップボードマン」のムービーは以下から見ることができます。

More ABC news videos | ABC Health News

この映像はエボラ出血熱の発症患者をエモリー大学病院にに搬送しているところを捉えたもの。二次感染を防ぐため、患者・看護師たちが防護服を着用する厳戒態勢の中、1人の男性は防護服を身につけておらず、代わりにクリップボードを手にしています。



詳細が不明だったことから、「この男性は何者なんだ!」という疑問がTwitterを中心にインターネット上で爆発的に拡散。

「不思議だ……。クリップボードを持った男がエボラ出血熱患者と共に飛行機に乗っていった。彼は一体何者なんだ?」

Mysterious #clipboardguy flew to Atlanta with #Ebola patient. Who is he??? http://t.co/NM9XE2NCR4 pic.twitter.com/8hoxkplrkN— FOX 5 DC (@fox5newsdc) 2014, 10月 16

Business Insiderは「誰もが防護服なしでエボラ出血熱患者に接近する男性の正体を知りたがっている」とコメント。

Everyone wants to know who the guy near an Ebola patient without a hazmat suit is http://t.co/jk7SHOkwsy pic.twitter.com/HnH7U6WFHG— Business Insider (@businessinsider) 2014, 10月 16

この2つのツイートをきっかけに「#ClipboardMan」というハッシュタグまで生まれています。その後Twitterでは不安の声があちこちで巻き起こりました。

「つまり『クリップボードマン』はCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の関係者なのか?ショック過ぎる」

So #clipboardman belongs to the utterly incompetent CDC? Shocked I tell you, shocked.— Ty Wilson (@22TWilson) 2014, 10月 16

「もしかして『クリップボードマン』は透明人間なのでは?なんてこった、早く隔離しないと!!」

Meanwhile #clipboarddude #clipboardman thinks he is invisible. Smh. They need to quarantine his ass pronto!!!— ☠ BRICK_HOUSE☠ (@PrettiR0undBrwn) 2014, 10月 16

「『クリップボードマン』のクソ野郎」

Fuck you #clipboardman— The Russo (@FootballRusso58) 2014, 10月 16

エボラ出血熱の治療にあたっていたアメリカの看護師が二次感染していることや、スペインで三次感染を疑われる事例が出るなど、先進国においても感染の拡大が進みつつあります。そんな中で報道されたクリップボードマンの姿は、全米を恐怖に陥れましたが、ABC Newsによると、彼は医療機関の監督者であり感染の危険はないとのこと。

エボラ出血熱は飛沫感染するので、患者の治療に従事する医療関係者は防護服を着用していますが、防護服だと視界や動きが制限されます。そのため、防護服を着用した関係者の移動先に危険物がないかどうかの確認や口頭での指示を行うために、防護服を着用しない監督者が必要になるのだとのこと。これにより、医療関係者が転倒して防護服が破損し二次感染することを防いだりしているというわけです。患者および関係者に直接触れない限り監督者が感染する恐れはないとのことですが、この光景を見て慌てるのも無理はない気がします。