初代表・FW小林悠の注目すべき決定力
ジャマイカ戦で途中交代ながら代表初キャップを手にした小林悠は、試合後にこう言うとニコリとした。
「とりあえずシュートは打てました」
小林悠がもっとも素晴らしい数字を残したのは今年や去年ではない。川崎加入後2年目となった2011年だ。32試合に出場したものの、プレー時間はわずかに1521分。1試合平均で48分に過ぎない。それでも12ゴールを挙げた。127分に1点を奪った計算で、これはその年の得点王、ケネディが2790分で19点、146分に1点という成績を上回る。また、その年はシュート49本で、24パーセントという高確率でゴールを奪った。これもケネディの21パーセントの上を行く。
だが、その年の小林で一番目に付いたのは「持っている」ことだった。クロスに合わせようとポジションを取っていると、なぜか目の前にこぼれ球が転がってきて、マークも相手が外してくれている。味方のシュートをよけようとバックステップを踏むと、シュートの跳ね返りが足に当たってゴールになる。あれよあれよという間に、小林は2桁得点をモノにした。
翌2012年、チームの不調と監督交代、チームスタイルの変更とともに小林には厳しいシーズンとなる。出場は26試合で1519分。1試合平均58分しかピッチに立てなかった。またシュート成功率も15パーセントとガクンと落ち、6ゴールしか挙げることができなかった。
2013年、チーム始動よりも早く小林は自主練をスタートし、体にキレのある状態で合流する。リーグ戦折り返しの17節までに5ゴールを挙げ、再び2桁得点を挙げるのではないかと期待された。
ところが17節の後、練習中に右膝半月板を損傷し長期の離脱を余儀なくされた。復帰したもののゴールは生まれない。それでも復帰した後は動きの良さが戻りつつあることを短い時間の中でアピールしていた。
2014年、完全に復調した小林はリーグ開幕5試合でシュート18本を放ち4点を挙げる。111分に1点、シュート決定率22パーセントという抜群の数字だった。ザッケローニ監督からも代表合宿の参加要請が届く。ところがこのときもケガで辞退せざるを得なくなった。
「こればかりは仕方がないです。またいつかチャンスが訪れればいいと思っています」。小林は明るく振る舞いながらそう語っていたが、大きな失望を味わっていたことは間違いなかった。
それでも小林は努力と進歩を止めなかった。27節までのリーグ戦ではシュート53本で10得点。シュート成功率19パーセントは、チームメイトの大久保嘉人の20パーセントに次ぐ高い数字だ。
決定的な場面が来るまで、なかなかシュートを打たないわけではない。シュートを打てる場面にはたくさん遭遇する。ジャマイカ戦でも香川真司のシュートの跳ね返りが小林の前に転がってきたのは、偶然とばかりは言えないのではないかと思うほどだ。
だからこそ「とにかくシュートが打てた」というのは、小林の感想としては正しいのだろう。日本代表の試合でも、川崎と同じようにプレーできたという言葉なのだ。
「今回こうやって(代表に)呼んでもらえたので、自分のプレーができるように積極的なアピールをしていきたいと思います。動き出しが自分の得意なところなので、味方にうまい選手が多くてパスがたくさんでてくると思うので、相手DFとの駆け引きで抜け出す場面がたくさん作れればいいと思います」
「まだ理解されていないと思うし、もっと自分の良さを理解してもらえたらいいと思います。一緒にやったのは初めてだったし、試合の中でああいう動きをしたら出してくれる選手もたくさんいるので、そういう動きを出して良さをわかってもらうのが大切だと思います」
「ブラジル戦ではチャンスがもらえたら、ゴールに向かってどんどん行きたいと思います」
あとはシュートを決めるだけ。もしそれがブラジル相手なら、小林は自信を深めるだろう。Jのすぐ先に世界があることを、小林は証明できるだろうか。そんな大きな期待を背負ながらも、度胸満点の小林の笑顔が引きつることはなさそうだ。
「とりあえずシュートは打てました」
小林悠がもっとも素晴らしい数字を残したのは今年や去年ではない。川崎加入後2年目となった2011年だ。32試合に出場したものの、プレー時間はわずかに1521分。1試合平均で48分に過ぎない。それでも12ゴールを挙げた。127分に1点を奪った計算で、これはその年の得点王、ケネディが2790分で19点、146分に1点という成績を上回る。また、その年はシュート49本で、24パーセントという高確率でゴールを奪った。これもケネディの21パーセントの上を行く。
翌2012年、チームの不調と監督交代、チームスタイルの変更とともに小林には厳しいシーズンとなる。出場は26試合で1519分。1試合平均58分しかピッチに立てなかった。またシュート成功率も15パーセントとガクンと落ち、6ゴールしか挙げることができなかった。
2013年、チーム始動よりも早く小林は自主練をスタートし、体にキレのある状態で合流する。リーグ戦折り返しの17節までに5ゴールを挙げ、再び2桁得点を挙げるのではないかと期待された。
ところが17節の後、練習中に右膝半月板を損傷し長期の離脱を余儀なくされた。復帰したもののゴールは生まれない。それでも復帰した後は動きの良さが戻りつつあることを短い時間の中でアピールしていた。
2014年、完全に復調した小林はリーグ開幕5試合でシュート18本を放ち4点を挙げる。111分に1点、シュート決定率22パーセントという抜群の数字だった。ザッケローニ監督からも代表合宿の参加要請が届く。ところがこのときもケガで辞退せざるを得なくなった。
「こればかりは仕方がないです。またいつかチャンスが訪れればいいと思っています」。小林は明るく振る舞いながらそう語っていたが、大きな失望を味わっていたことは間違いなかった。
それでも小林は努力と進歩を止めなかった。27節までのリーグ戦ではシュート53本で10得点。シュート成功率19パーセントは、チームメイトの大久保嘉人の20パーセントに次ぐ高い数字だ。
決定的な場面が来るまで、なかなかシュートを打たないわけではない。シュートを打てる場面にはたくさん遭遇する。ジャマイカ戦でも香川真司のシュートの跳ね返りが小林の前に転がってきたのは、偶然とばかりは言えないのではないかと思うほどだ。
だからこそ「とにかくシュートが打てた」というのは、小林の感想としては正しいのだろう。日本代表の試合でも、川崎と同じようにプレーできたという言葉なのだ。
「今回こうやって(代表に)呼んでもらえたので、自分のプレーができるように積極的なアピールをしていきたいと思います。動き出しが自分の得意なところなので、味方にうまい選手が多くてパスがたくさんでてくると思うので、相手DFとの駆け引きで抜け出す場面がたくさん作れればいいと思います」
「まだ理解されていないと思うし、もっと自分の良さを理解してもらえたらいいと思います。一緒にやったのは初めてだったし、試合の中でああいう動きをしたら出してくれる選手もたくさんいるので、そういう動きを出して良さをわかってもらうのが大切だと思います」
「ブラジル戦ではチャンスがもらえたら、ゴールに向かってどんどん行きたいと思います」
あとはシュートを決めるだけ。もしそれがブラジル相手なら、小林は自信を深めるだろう。Jのすぐ先に世界があることを、小林は証明できるだろうか。そんな大きな期待を背負ながらも、度胸満点の小林の笑顔が引きつることはなさそうだ。