ジブリ鈴木P、『マーニー』若手Pを批判「大人にも観てほしかった」
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが18日、代官山蔦屋書店で行われたトークイベントの後、囲み取材に応じ、公開中の映画『思い出のマーニー』(米林宏昌監督)は「女子中高生だけでなく大人にも観てほしかった」と同作の宣伝を担当した西村義明プロデューサーに対する思いを語った。
『マーニー』の宣伝が女子中高生向けになっていることについて、映画を観て気に入ったという年配の観客から「なぜもっと大人に観せないの?」と手紙をもらったと明かした鈴木プロデューサーは「西村には好きにやりなと言った。結果が出たところで批判するからと言って。ついこの間、批判しまくったの(笑)」と告白。
これまでジブリが小さな子供から老人までターゲットの幅を広げてきただけに、今回それを女子中高生だけに絞ることに疑問を感じたという。「テレビスポットはあまりにも女子中高生に絞りすぎ、中高年に向けてやるべきな新聞広告も中高生になっているからね。ターゲットを間違えて宣伝しているんじゃないの? と。もう少し俺に聞いてくるのかなと思ったら本当に聞いてこないのね。全然尊重してくれなくてね」と笑いながら続けた。
また、先日の“ジブリ解体騒ぎ”で女子高生が中心だった客層が大人にも広がったといい、「思わぬ効果。勉強になりました」とにやり。「西村は健全な、正当な宣伝をやったよね。俺が言っているのはもう少し狡猾(こうかつ)になってくれってこと(笑)。それが本心です」と『マーニー』が2作目のプロデュース作となる西村プロデューサーのフォローも忘れなかった。
鈴木プロデューサーが「AERA」(8月4日発売号)の特別編集長を務め、同所でSTUDIO GHIBLI×AERA×代官山蔦屋書店「鈴木書店-鈴木敏夫を作った100冊」と題した企画を行っていることから実現した今回のイベント。会場には大勢のファンが詰め掛け、鈴木プロデューサーが語る自身が影響を受けた本や数々のエピソードに、時に笑いながら熱心に耳を傾けていた。(編集部・市川遥)
映画『思い出のマーニー』は公開中