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セイコーエプソンは9月11日、トーヨーカネツソリューションズ、国際航業、キングジムと共同で、シースルー・ヘッドマウントディスプレイ「MOVERIO」とARナビゲーションを利用した物流ソリューションの実証実験を、トーヨーカネツソリューションズの千葉事業所で行ったことを発表した。

このソリューションは、倉庫や物流センターなどの物流施設において、作業者がMOVERIOを装着することで、実視野とピッキング経路のナビゲーション画面を同時に見ながら、効率的かつ安全にピッキングや仕分け作業をできるようにするもの。

この検証においてエプソンは、独自に開発・商品化したシースルーモバイルビューアーMOVERIOと、高精度センサーの一種である慣性計測ユニット(Inertial Measurement Unit)を提供。MOVERIOは、眼鏡のように装着するヘッドマウントディスプレイで、シースルータイプであるため、ハンズフリーで周囲の様子を確認しながら映像を見たり、目の前の景色と映像を重ね合わせてAR(拡張現実)を視認したりすることが可能。

実験では、MOVERIOに組み合わせた高精度・小型のIMUが、作業者の姿勢や位置などの運動情報や見ている方向を感知し、より正確で安全なナビゲーションを実現した。

トーヨーカネツソリューションズは、物流・流通分野でのシステム構築ノウハウの提供および運用システム設計を行ったほか、実験のために千葉事業所内に試験環境を整えた施設を提供した。

国際航業は、測位技術とAR(拡張現実)技術を活用したナビゲーションシステムを提供。GPSなどが利用できない屋内空間でも正確なナビゲーションを可能にすることで、シースルー・ヘッドマウントディスプレイの特性を生かした作業ガイダンス表示など、ビジネス用途での新しいナビゲーションを実現するという。

そしてキングジムは、ラベルプリンター「テプラ」Grandと専用ラベルソフトにより、ヘッドマウントディスプレイでの読取に最適なARマーカーラベルを印刷できる環境を提供している。

エプソンでは、今後さらにMOVERIOの小型化・軽量化を進め、ウェアラブル性能などを高めることで、より幅広い分野に向けても新しいソリューションの開発を行っていくという。