韓国野党・民主党の南尹仁順(ナムユン・インスン)議員は10日の国会で、食品医薬品安全処の資料「日本産輸入水産物放射能検出現況」を基に、日本産水産物に対する日本の放射性物質の検査結果と韓国の検査結果が大きく異ったと指摘した。複数の韓国メディアが報じた。

 資料によると、日本が発行した検査証明書付きの水産物64件を検査したところ、62件(96.9%)から放射性物質が検出された。両国の検査で、同じ結果が出たのは2件(3.1%)のみという。

 福島第一原発事故後に韓国に輸入された日本産水産物131件から、基準値を下回る放射性セシウムとヨードが検出されていたことも分かった。うち検査証明書があったのは、全体の約半数にあたる64件だった。

 韓国メディアによると、南尹議員は「日本側の放射能検査結果と韓国の検査結果が深刻な不一致を見せたことは大きな問題だ」と述べ、安全管理を強化する必要があると訴えた。食品医薬品安全処の関係者は、「日本では10ベクレル以下の放射性物質が検出された場合、不検出として処理するため韓国の検査結果と一致しないケースがある」と説明した。

 一方、韓国政府は9日から、福島県など日本の計8県の水産物について、輸入を全面的に禁止した。福島第一原発の汚染水漏れを受けて、韓国国内では水産物全体の安全性への信頼が揺らいでいるため、今後は自国産食品に対しても検査基準を大幅に強化する方針だ。(編集担当:新川悠)