2012年10月に長崎県対馬市の神社や寺から盗まれた仏像2体が韓国で回収された問題で、大田地方警察庁は28日、仏像を盗んで売りさばこうとしていたとして、窃盗グループのうち65歳の韓国人の男ら3人を文化財保護法違反の疑いで検挙したことを明らかにした。他に逃走中の1人の行方を追っている。複数の韓国メディアが報じた。

 警察の発表によると、男らは対馬市の海神神社から国指定の重要文化財「銅造如来立像」と観音寺から長崎県指定の有形文化財「観世音菩薩坐像」を盗み、博多港から韓国の釜山港に持ち込んだ。日本政府が韓国側に捜査を依頼し、今年1月、慶尚南道昌原の倉庫に保管されているのが見つかった。

 大田地方警察庁は、同国南部の大邱の病院に容疑者の1人が治療を受けているとの情報を入手し、20日に病院で3人とも検挙した。

 警察は1月下旬に窃盗グループのうち首謀者の男(69)を拘束、4人を在宅で立件しており、追加で検挙した男らに犯行の詳しい経緯について調べる方針という。(編集担当:新川悠)