福岡での日本シリーズ、中日がシーズンさながらのロースコア僅少差勝ちで連勝した。予想通り、初戦に吉見を温存しチェンでスタート。2戦目に吉見を先発させた。

デイリーは2戦目の先発はネルソンを予想していたが、それはあり得なかったろう。3戦目に吉見が投げるようなことになれば、エースが一度しか登板しないということにもなり兼ねない。初戦がチェンの時点で吉見の2戦目は確定。同時に6戦目の吉見もほぼ確定に近い。

両監督にとって中日連勝は想定外だったろう。交流戦で中日は福岡で9連敗もしていたこともあり、落合は1勝1敗で御の字、秋山はあわよくば連勝を目論んでいたであろう。1,2戦連勝したチームの日本一確率は、80%に近いというデータがあるが果たしてどうなるか。

ソフトバンクは最悪の状況に追い込まれた。連敗して敵地の名古屋へ乗り込まなくてはならないばかりか、負けた2試合ともに抑えの馬原が決勝点を奪われた。しかも決勝点は2試合ともに、延長10回、二死無走者からの失点となればショックも大きい。藤川球児が2試合連続して失点し、負け投手になったも同然の事態だ。

明日からの名古屋決戦を予想してみよう。先発投手は両チームとも豊富。ソフトバンクは、ホールトン、攝津、山田あたり、中日は、ネルソン、ソト、山井か。初戦に投げた和田とチェンが中四日で第5戦に投げる可能性もある。名古屋でも投手戦は必至だろう。

両チームともチャンスが少ない。チャンスを確実に点に結び付けられれば良いが、好投手が揃う中、そうはうまくいかない。ソフトバンクは初戦こそ足を使って2盗塁を決めたが、その後、谷繁に読まれて2度外されて刺されている。自慢の足を武器にしきれていない状況で、どのような作戦で点に結びつけるのかが注目。

ソフトバンクは、レギュラーシーズンでもバントを多用していたというが、川崎出塁後の本多や、昨日のように、小久保出塁後の長谷川バントは余りにも勿体ないように思える。両選手共にミート力があり走力もある左打者、併殺の確率は極めて低い。エンドランなどを多用して、塁に残ればスチールで揺さぶるなどの攻撃を仕掛けたほうが、中日側としては嫌だろうと思う。

中日連勝で名古屋で3つできるのは圧倒的に中日有利とも思える。しかし、これもまた短期決戦の面白いところで、追い込まれた感じのソフトバンクが、思いもよらぬホーム連敗で、いい意味で開き直りやすい要素ができたとも言える。明日ソフトバンクが本来の勝ち方で1勝すれば流れが変わる可能性は十分ある。

今回のように、敵地で連敗したにも関わらず逆転で日本一を取ったケースは、過去2度しかない。直近のケースが2000年のON対決。この時は、福岡で連敗した讀賣が、東京へ戻って以降4連勝で日本一となった。

中日は、ナゴドで圧倒的に強いチームだ。油断さえなければ2勝1敗で日本一を取る可能性は十分だ。中日はシーズンどおりの野球をするだろう。ホームでもあり、打てない打撃を補うため、ソフトバンクのお株を奪うように荒木あたりが足を絡めてくるかもしれない。ソフトバンクは圧倒的な盗塁数を誇るが、逆に盗塁阻止率は12球団ワースト、一番走られたチームでもある。

昨日の7回裏、1死満塁のピンチでいきなり浅尾だった。絶対的な信頼を得ているのだろう。松中、川崎、本多。代打の代打が送られる可能性がない左打者が並ぶ打順なら、変則左腕の小林を送り込むかと思ったが浅尾だった。打った川崎も執念だったが、上位打線を迎えても追加点を与えなかった浅尾もさすがだった。

ソフトバンクがいい意味で開き直れるか、そして、馬原と心中して抑えを任せるのか・・・。
秋山監督の手腕が問われる第三戦だ。