ブラピは「地に足が着いたとても素晴らしい人物」と語ったベネット・ミラー監督

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 弱小メジャーリーグ球団を独自の理論で常勝チームへと導いた実在のゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンの半生を描く映画『マネーボール』のベネット・ミラー監督が来日し、メガホンを取ることになったきっかけや主演のブラッド・ピットとのエピソードなどを明かした。

 映画『カポーティ』以来、約6年ぶりの新作を発表したミラー監督。マイケル・ルイス原作のノンフィクションを実写化した本作製作のきっかけは、ハリウッドきっての大スター、ブラッド・ピットからの1本の電話だったという。「ある映画の企画について話したい」と言われた監督は、すぐさまニューヨークからロサンゼルスに飛び、ブラッドと面会。長年企画を温めていたものの、なかなか具体化せずに困り果てていたブラッドと、原作を読んで気に入った監督は意気投合し、今回のタッグが実現した。

 世間的には超セレブのブラッドだが、実際は「スーパースターとは思えないほど地に足が着いた、とても素晴らしい人物だよ」と監督は素朴な人柄を絶賛。撮影現場での彼には、スターにありがちなエゴや虚栄心がまったくなかったという。そんなブラッドの失敗談を監督が披露した。主人公のゼネラルマネージャー、ビリーを演じたブラッドと、彼の右腕となって働く青年にふんしたジョナ・ヒルが、ラストに近いシリアスなシーンを撮影していたときのこと。最初にジョナが自分のパートを撮り終え、いよいよブラッドの出番でカメラが回る瞬間に、いきなりジョナがジョークを飛ばし、「ブラッドは4分半もの間、ずっと腹を抱えて笑い続け、たった2行のセリフさえも言えなくなってしまったんだ」。和やかな撮影風景が目に浮かぶようなエピソードだが、和気あいあいとした環境の中、撮影はスムーズに進んだのかといえば答えは「ノー!」。映画を作るということは苦労の連続らしく「僕がもっと要領よくできたらいいのかもしれないけどね……」とぽつりと漏らしたミラー監督だった。

 『カポーティ』でアカデミー賞作品賞などにノミネートされた経験があるミラー監督だけに、本作で再びアカデミー賞を取りにいくのかと聞けば「それは僕の意志だけではどうしようもないからね」とさらり。また、東日本大震災後は来日を避ける傾向にあるが、「どの地震のこと?」とジョークを飛ばした監督。「全然不安はなかったよ。弟がもう20年も日本に住んでいるし、プライベートで何度も来日しているしね。この機会を利用してちょっとした小旅行もできるんだからもうけものだよ!」とうれしそう。そんな親日派の監督が満を持して世に放つ最新作を、ブラピの熱演と共に堪能してもらいたい。(取材・文:平野敦子)

映画『マネーボール』は11月11日より丸の内ピカデリーほか全国公開

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