左から、芝山匡史(柄本佑)、矢野雅之(窪田正孝)、田中甲太(向井理)、本田充(松坂桃李)。 『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』 (C)2011「僕たち」フィルムパートナーズ
 MOVIE ENTERの新人編集部員であるマサキが、ビビビ! ときた映画を紹介。今回は、映画『パラダイス・キス』でキザなジョージ役を演じたことでも記憶に新しい、人気急上昇中の向井理にとって初主演となる作品です。

 学生の頃、何か思い出に残ることがしたいと思ったことが一度はあるはず。9月23日より公開となる向井理初主演映画『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』では、毎日を平凡に過ごしていた学生がボランティアに参加し、成長していく姿が描かれています。

 本作の原作は、葉田甲太が自費出版した同名ノンフィクション。葉田氏は、「自分の思いが1割でも入っていればいい」とコメントしていましたが、実際に本作を鑑賞したところ、自分の気持ちが汲み取られており、キャストやスタッフに感謝の気持ちでいっぱいだったそう。

あらすじ

 主人公・田中甲太は、不満はないけど何か物足りない毎日を過ごす医大生。たまたま見つけた海外支援案内のパンフレットをきっかけに、同じ大学に通う芝山匡史、矢野雅之、合コンで知り合った本田充と“そらまめプロジェクト”を立ち上げる。これは、150万円を集めて寄付し、カンボジアに学校を建てる、というもの。チャリティーイベントを開催し、寄付金を集め始めた4人。ステディツアーと称して、初めて訪れたカンボジアで想像を越える現実を目の当たりにする。果たして、学校を建てることが出来るのだろうか。

限りなくドキュメンタリーに近い映画

 フィクションでありながら、原作に登場する人物が本人役で出演するなど忠実に再現されている部分が多く、映画であることを忘れてしまうことがあります。それもそのはず。深作健太監督が特にこだわったのが“ライブ感”。ある時は、手持ちカメラで撮影。またある時は、状況に応じて台詞を変え、アドリブを織り交ぜることもあったそうです。

 また、カンボジアのツールスレン博物館を訪れた時のシーンは、一切リハーサルを行わずにロケを決行。そこは、ポル・ポト政権下で数百万人もの民衆が虐殺されていた時代に収容所だった場所を博物館として一般に公開している場所。拷問部屋跡、独房跡、生々しい写真や絵が展示されており、目を覆いたくなるほどの現実を目の当たりにします。現地で案内をしていたブティは、実際に原作者のガイドを務めた人物であり、当時のことを良く知る人物でもあります。このシーンでの4人のリアクションに注目してみましょう。その他のシーンでも、子どもたちの笑顔や決して裕福とは言えない街並みで暮らす人々の笑顔、これらがストレートに映し出されています。

あなたの好みは、どのタイプ?

 物語の中心となる4人は、見た目もタイプも違うイケメン揃い。『ゲゲゲの女房』で一躍人気となった向井理。『スーパー戦隊シリーズ・侍戦隊シンケンジャー』のシンケンレッド役でデビューを果たした松坂桃李。俳優・柄本明の息子で、舞台・映画・ドラマなど数多くの作品に出演している柄本佑。『チェケラッチョ!in TOKYO』でドラマ初出演&初主演を果たした窪田正孝。彼らの見せる無邪気な笑顔や涙、役を通して成長していく姿に女子なら“胸キュン”でしょう。また、黄川田将也、阿部寛、リリー・フランキーなど個性豊かな顔ぶれが勢揃いし、彼ら4人を引き立てていきます。
 
 まだデビュー間もない向井が出演した「世界ウルルン滞在記」で訪れたのがカンボジアでした。本作の主演に抜擢されたのは何かの縁だったのかもしれないですね。ちなみに、本作を撮り終えた後に同番組のスペシャルで再びカンボジアを訪れています。本作と合わせて観ると、いかに“限りなくドキュメンタリーに近い映画”なのかが分かるはず。

 9月23日(金・祝)より全国公開です。ビビビ! ときた方はチェックしてみては?

映画はビビビ! のマサキの所見評価

グッとくる度:★★★★

イケメン度:★★★★★

学生に戻りたい度:★★★★

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編集部的映画批評
『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』 - 公式サイト
『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』 - 作品情報
ハーヴィー・クランペット

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デビュー間もない向井理が出演した、「世界ウルルン滞在記“カンボジア・命を懸けた畑作りに向井理が出会った”」(2007年2月)と、ホームステイ先のお父さんとの約束を果たすため再び“第2の故郷”と公言するカンボジアへ再訪する「世界ウルルン滞在記 みんな元気に!復活スペシャル“カンボジア・地雷原に暮らす家族に…向井理が再び出会えた”」(2011年4月)が収録されている。さらに、未公開シーンや向井の撮り下ろしインタビューが追加されている。