既に決勝トーナメント進出を決めており、水原が引き分け以下になるか、得失点差で3差をひっくり返さないと1位になれない鹿島だったが、興梠を出場停止で欠くなど苦しいやりくり。

と言うわけで、前半は大迫の1トップの下に、小谷野と遠藤、野沢が入るような布陣で臨んだのだが、大迫にしっかりボールが収まらずに2列目がなかなか良い形で前を向けず、逆に前線にキープ力があるシドニーにボールを回され、サイドの攻防で遅れを取って危ない場面を作り出してしまっていた。

それでも、鹿島は大きな展開でサイドに基点を作る戦いにシフトし始めて、鹿島がシドニー陣内へと攻めこむ時間が増えたかなと思ったところで、22分にCKからオージーの高さにやられてしまう。

これで動きに勢いが出たシドニーに対し、鹿島はキックオフ直後に集中を切らせてイージーにシュートを撃たせてしまったり、中田の負傷で守備がドタバタするなど危うい展開が続いたが、何とか1点差で前半を折り返す。

後半14分に、鹿島は小谷野に代えてフェリペ・ガブリエルを投入。すると、ゴール前で意外な対人能力を発揮して、新井場と伊野波で崩したサイドからのクロスを頭で競り勝ち、落としたところにフリーでいた大迫が決めて同点に。

そこからは鹿島がサイドを中心にシドニーを攻め立てる展開が続くものの、最後の部分でなかなか決めきれずに嫌なムードが漂ったが、38分にゴール手前やや右からのFKを、野沢がグラウンダーで直接決めて鹿島が勝ち越し。後は危なげ無く逃げ切った。

サブメンバーを何人か使いながら勝ったという面では、2位抜けでも鹿島にとっては収穫のあった試合なのかもしれないが、遠藤や小谷野、西らは既に22〜23歳という年齢であり、小笠原や中田が彼らの年齢の時にどうだったかを考えても、もっとフレッシュなプレイを見せてくれても良かったのではないかと思う。

まあ、野沢も代表未満の立場にありながら何だかんだで鹿島のレギュラーに定着しているわけだし、大成はしなくてもそこそこ選手を仕上げられるのは、どっかの選手を腐らせるばかりのクラブよりかは全然マシなんだけどね(笑)。

次の相手は、アウェイで名古屋が2-0で勝ったFCソウルが相手。ファン・ボカン監督が解任後、アルアインには完勝したが杭州には引き分けと実力が測りかねる様子。おそらくキックオフからフルパワーでプレッシャーをかけて来るだろうから、そこを凌げば勝機は十分出てくるだろう。


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