「八日目の蝉」完成会見(左より)角田光代(原作者)、小池栄子、井上真央、永作博美、森口瑤子、成島出監督<br>撮影:石津(@ishiduu)
 「逃避行したくなりました」と井上真央は語る。
 
 直木賞作家・角田光代が手掛けたベストセラー小説を映画化した『八日目の蝉』の完成会見が28日に問う東京・恵比寿にて行われた。会見には、井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子らの出演陣と、監督の成島出、原作者の角田光代が登壇した。

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 『八日目の蝉』は、愛人の子を誘拐した女と、誘拐されて育てられた女の物語。永作は、絶望の中で赤ん坊を誘拐した女。井上は、誘拐されて育てられた後に、実の家族のもとに戻るが、生活になじめない女。森口は誘拐された赤ん坊の本当の母親。小池は誘拐事件について調べるルポライター役を演じる。

 子供を愛する故に誘拐してしまうという難しい役どころに挑戦した永作は「ここまでしっかり罪を犯す役ははじめて。あふれる愛情との幅の広さに悩んだ。また相手役が0歳と4歳ということで、大人の思うように動いてくれないので大変だった。その結果、ドキュメンタリーのような迫力が出たかも知れない。」と感想を語った。

 出演者4人から、口を揃えて「演じるのが難しかった」という言葉が出た。どの役も人物背景が深く、一つの感情では表せない部分があるようで、出演陣の頭を悩ませたようだ。井上真央にいたっては、記者から誘拐した犯人のように逃避行したいと思ったことがありますかと聞かれて「撮影中、現場の小豆島から逃避行したくなりました」と語る程である。監督の成島はキャスティングについて「直感で選びました。でも、それぞれが今までとは違うひっくり返した役柄を演じてもらい化学反応させたかった。完成するまでどうなるかわからなかった。」と語る。

 ベストセラー作家に、日本アカデミー賞の優秀監督賞の監督、そして熟練の女優達。果たして、化学反応は成功したのだろうか。答えは、GWにわかる。映画『八日目の蝉』は、4月29日(金・祝)全国ロードショー。

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