「これが最後のステップだと確信している。オレはトップに来たんだ。ミランの次には空しかない」

ミランFWアントニオ・カッサーノは14日、入団会見で笑顔を浮かべながらこのように語った。同選手獲得の立役者、ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役は、カッサーノ加入について次のように喜びをあらわにしている。

「とても満足しているよ。2006年夏、我々は(移籍に)近づいていた。4年越しで実現したね。そのときはレアル・マドリーへ移籍したが、彼はあまり試合に出なかった。でも、マドリッドに(ファビオ・)カペッロが行き、すべてが止まってしまったんだ」

「我々はずっとカッサーノのことが好きだった。ベルルスコーニ(・オーナー)が言ったように、彼はイタリアサッカー最高のタレントなんだ。サンプドリアがチームから彼を外したと知った瞬間、我々は攻撃陣を完成させるために動いた。ミランのような攻撃陣は、世界にも少ないはずだ。(バカンスを過ごした)ブラジルでカッサーノが3つのアシストを決めるのを見たよ。次は1月最高の補強である彼のゴールに期待している。ミランにとって彼の獲得はギャンブルではなく、チョイスだった」

一方、感きわまった様子のカッサーノは、次のように話している。

「オレは人生をより幸せにしてくれるような素晴らしい選手たちとプレーしている。物事が片づいているときにガッリアーニは近くにいなかったけど、難しいときに彼はオレを問題からすくい上げてくれた。彼らやサポーターを幸せにするために、オレは全力を尽くすよ。ここは本物のファミリーだ。用具係から会長までね。欠けていることが何もないんだ」

「オレは長くプレーしたいと思っている。これが最後のステップになると確信しているよ。オレはトップに来たんだ。ミランの次は空しかない。決して自分を信頼してくれた人たちを裏切らないよ。人生においてもキャリアの上でも、オレはもうミスできないところに来たんだ。100%失敗しないと確信している。近いうちに父親にもなるんだしね」

「どのクラブがオレの獲得を求めたかは明かせない。多くのクラブがいた。でも、ガッリアーニがオレをミランに欲しがっていると代理人から聞いたとき、迷いもしなかった」

「ミランはあらゆるレベルで多くのことができる。オレは献身的になることと、自分のクオリティーをもって報いるよ。勝つために、どんなことへの用意もある」

サンプドリアに関する質問がなされるのは、避けられないことだっただろう。

「感謝しているよ。オレは常にサンプ全体から愛され、感謝されてきた。居心地が良かったんだ。でも、それから問題があった。(リッカルド・)ガッローネ会長とのケンカ? ミランについてだけしゃべりたいな。いつか、10年後にでも、また本を書くよ。そこで何が起きたか話すさ」

「人生でやってきたことすべて、もう一度同じように繰り返したいと思っている。唯一そうじゃないのは、カペッロ監督時代の過ちだね。当時の彼はオレのために不可能なことまでやってくれていた。それだけは悔やんでいる」