23日のチャンピオンズリーグ・グループリーグ第5節で、アヤックスに4−0と圧勝したレアル・マドリー。アムステルダムで初勝利を収め、1試合を残してグループ首位での決勝トーナメント進出を決めたレアルだが、MFシャビ・アロンソとDFセルヒオ・ラモスの2選手が、ジョゼ・モウリーニョ監督の指示によって、累積警告を消化するために、自ら退場したのではないかと騒動になっている。

レアルは87分と91分、両選手がそれぞれ時間稼ぎをし、2枚目となるイエローカードを受けて退場となった。この結果、レアルは9人で試合を終えているが、テレビ映像を見ると、モウリーニョ監督がベンチのスタッフとひそひそ話し、控えGKイェルジ・デュデクを呼んで何かを伝えていた。すると、デュデクはカシージャスのゴールマウスへ向かい、カシージャスを呼んで何かを話す。カシージャスは「分かった」というそぶりを見せると、S・ラモスを呼んで何かを耳打ちした。そして数分後、アロンソとS・ラモスが退場となったのだ。

モウリーニョ監督はスペインのテレビに対し、質問を待つこともなく、「(審判は)気に入らなかった。この上なく落ち着いた試合だったのに、どうしてこれだけのカードが出たのか分からない。それに最後の2枚はバカげているよ…。気に入らなかった」と、主審への不満を述べている。カシージャスもテレビのインタビューで、明らかに苦しい様子ながら、指示を受けたことを否定した。S・ラモスもミックスゾーンで同様に否定している。

だが、『アス』が一面で「試合が決まり、監督はシャビとS・ラモスに故意の退場を強制した」と掲げたように、スペインのメディアはこの件を大きく報道。『パイース』は「マドリーは退場までもコントロール」と伝え、『アス』の編集長が「気に入らない」とモウリーニョ監督の“采配”を厳しく報じた。一方、『ムンド』は、「だましたのではなく正当だ」と主張している。

一方で、UEFAは両選手が意図的に退場になったとして処分を下す前に、審判団の報告書を注意深くチェックするそうだ。アロンソとS・ラモスはグループリーグ最終節のオセール戦を欠場するが、レアルはすでにグループ首位でのベスト16進出を決めているため、さして意味はないことだろう。