リヴァプールが経営危機から近いうちに抜け出せることとなった。サポーターたちを心配させていたのは、ロイ・ホジソン監督率いるチームの不調以上に、クラブの財政問題と期限が迫っていた負債の返済だったが、リヴァプールは6日、買収の申し出を受け入れたことを明らかにしたのである。同クラブは5日の時点で「2つの素晴らしいオファー」を受けていたことを明かしていた。

リヴァプールはクラブの公式サイト上で、野球のボストン・レッドソックスを所有する「ニュー・イングランド・スポーツ・ヴェンチャーズ(NESV)」とクラブ売却に関して合意に達したと明らかにしている。リヴァプールのマーティン・ブロートン会長は、サイド上で次のようにコメントした。

「激しく、細かなこのクラブ売却プロセスを成功で終わらせることができ、私はうれしく思っている。NESVの哲学は勝者のそれであり、これはすでにレッドソックスで示されている」

つまり、2007年2月に約2億5200万ユーロ(約290億円)でクラブを買収し、今年4月に売却を決断していたトム・ヒックス氏とジョージ・ジレット氏の両オーナーによる時代が終わるということだ。ただし、決してサポーターから愛されることのなかった両オーナーは、クラブの取締役会が受け入れたNESVのオファーを拒否する考えだという。

ブロートン会長は「唯一落胆させられたのは、オーナーが売却に反対するためにあらゆることをしたという事実だ。我々は売却を完了させるために、法的措置を取らなければいけないだろう」と、売却を実現させるために法的措置も辞さない構えを明かしている。

ヒックス氏とジレット氏はオファー額が十分ではないと考えている。両氏は4億ユーロ(約460億円)に近い金額での売却を狙っていたからだ。今後は、法的な争いと、プレミアリーグの承認に委ねられることとなる。いずれにしても、サポーターにとっては一安心だろう。リヴァプールは15日までに、「ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド」に対して負債を返却しなければならないが、これは現オーナーには不可能なことと思われるからだ。