伊藤歩
 浅野いにお原作、宮崎あおい主演映画「ソラニン」がいよいよ4月3日より劇場公開される。本作はOL2年目で会社を辞めた芽衣子と音楽の夢をあきらめられないフリーターの種田を中心に、「ソラニン」という1つの曲を書き上げる話題の青春恋愛映画。今回は、芽衣子の親友であり、皆のお姉さん的存在である“アイ”を演じた伊藤歩に撮影の感想や、自身の友情感などを聞いた。

――今回、浅野いにおさんの人気コミックを実写化した映画「ソラニン」で、伊藤さんは主人公の親友であるアイを演じていますが、最初に出演のお話を頂いた時はどう思いましたか?

伊藤歩(以下、伊藤):登場人物みんながギター、ドラムなどで演奏している中、私だけ演奏するシーンがないんです。なので「現場で私は何をすればいいんだろう?」と考え、良い空気感を作って、みんなの力になれる存在でいたいなと思いました。

――「ソラニン」の原作は、出演のオファーが来る前から知っていましたか?

伊藤:出演が決まってから読みました。子供の頃、あまり漫画を読まない環境に育ったので、今でも漫画はあまり読まないのですが一気に世界観に引き込まれました。

――アイを演じる時に、漫画原作という事を意識することはありましたか?

伊藤:ほかのキャストの皆さんは、客観的に見ても、かなりマンガのキャラクターに似ていますが、アイはルックスが私とはちょっと違うんですよね。なので ですから原作ファンの方がどう思うだろうとも考えましたが、内面的な部分で、彼女が持つ女性らしさや優しさ、母性的な部分を出せたらいいなと思いました。

――主人公の種田や芽衣子はいつまでも夢を追いかけている、少年っぽい、少女っぽいキャラクターであって、アイだけが落ち着いている 人物でしたが、撮影現場でも同じような雰囲気でしたか?

伊藤:実際はまったく逆というか、皆さんの方が頭の回転がはやくて、私が見守られていたと思います(笑)。

――現場の雰囲気は、和気あいあいと?

伊藤:そうですね、休憩でお弁当を食べながらお話ししたり。でも、皆さんは楽器の演奏があったから本当に大変で、控え室でもギターを弾いたりしていましたね。撮影期間が1か月ぐらいだったので、時間のないなか、必死にやってきたことを一致団結してやるという、勢いや熱みたいなものを毎日現場に行くたびに感じていました。

――ライブのシーンはキャストの努力がはっきりと見える、とても迫力のある仕上がりになっていましたね。

伊藤:演奏は最初からパーフェクトだったので、クランクインする前に皆さん相当練習したのだと思います。あおいさんはもちろん、桐谷健太さん、また、高良君も演奏するシーンがあり、実際に演奏して、歌ったのを間近で観て感激しました。あとは、撮影のラストがライブシーンでしたから、「これで撮影も終わりだ」という、みんなの気持ちや想い入れがあり、素晴らしいシーンが出来上がったのだと思います。