ミランにとって、どれだけカカーの不在は大きいことか! 16日のチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦ファーストレグで、ミランと対戦するマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は、そう確信している。2カ月に渡ってミランを偵察し、その最後として12日にはサン・シーロでウディネーゼ戦を観戦した同監督は、このように結論をまとめたのだ。

「カカーは計り知れない穴を残していった。彼の不在が大きく感じられる。ミランはダイヤモンド型の中盤で、カカーが2トップの後ろでプレーしていた。だが、カカーがいなくなったことで、彼らは4-3-3を採用している。ミランがダービーで負けるまでは機能していたかな。今は回復の兆しが見えている」

「ミランにはまだアンドレア・ピルロやマッシモ・アンブロジーニ、クラレンス・セードルフといった、インテリジェントなベテランたちがいる。アレッサンドロ・ネスタも万全なら重要な存在だ。だが、ミランは何よりもアレシャンドレ・パトを必要としている。彼は100%なら違いをつくれる選手だ。ウディネーゼ戦でやってみせたようにね」

「(デイヴィッド・)ベッカム? パトが出るなら彼は出ない。デイヴィッドがプレーするなら、我々はすべてを知っている。まだ素晴らしいクロスを送っているね」

最後に両チームが対戦したのは2007年のCL準決勝、ミランが3−0で勝利した一戦だ。

「だが、今回はまったくの別物となるだろう。あのときの我々は、エヴァートン戦で0−2から4−2とする大変な試合をしてから、サン・シーロでの一戦に臨んだ。一方、ミランは土曜の試合で主力を休ませていたんだ。だが、今回は逆になる。ミランと対戦する上で良いタイミングだよ。ユナイテッドは(週末に)試合がなかったし、ミランにはもうカカーがいない」

「彼らにはほかにも問題やケガ人がいる。一方で、我々の選手たちは絶好調だ。(ウェイン・)ルーニーとナニはすごく成長したし、(アントニオ・)バレンシアは攻撃で重要な駒となる。中盤では(マイケル・)キャリックと(ダレン・)フレッチャーが素晴らしいし、(ポール・)スコールズはまだ強い選手だ。(ライン・)ギグスのことは残念だけどね。彼は腕を壊してしまった。私はうまく代役を選ばなければならない」