ヤンキースの優勝でワールドシリーズが終わり、これから本格的にトレードや契約延長の交渉が始まる。それまでの短い期間は、空想にふけることのできる貴重な時間だと、ワシントン州のニュース・トリビューン紙のスポーツ担当記者が、松井秀喜のマリナーズ移籍の可能性について記している（11月６日付）。

　松井がヤンキースから放出されたら、マリナーズは獲得に動くだろうか？　

“動く”可能性
１）松井は長打力のある左打者である。マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドは左打者に有利な球場で、松井自身も今シーズンは19打席で３本ホームランを打っている。

２）フルタイムのDHで、左投手を苦にしない。マリナーズには頼れるDHがいない。

３）マリナーズの筆頭オーナーは日本企業。松井は義理堅い男で、頼まれると断れないのではないかといわれている。

４）松井の移籍はマリナーズのファーム・システムや若手に影響しない。

５）ワールドシリーズのチャンピオンである。

“動かない”可能性
１）両ひざに故障を抱えている。

２）イチローとの相性。

３）年俸。松井との契約がいくらになろうと、その分、エース投手フェリックス・フェルナンデスを引き止めておく金額が少なくなる。

４）ジャック・ズレンシックGMは足のある野手をそろえたスピーディな守備を目指している。松井はこれに当てはまらない。

５）マリナーズの象徴、ケン・グリフィーJr.の存在。球団は来季の契約について、グリフィーJr.本人に選択権を与えている。松井の獲得は、グリフィーJr.に引導を渡すことにならないか。