Psion netbook Pro
低価格なミニノートPCが人気を呼んでいます。インターネットでの利用を目的とし、性能を抑えて小型・低価格を実現したミニノートPCは「ネットブック」とも呼ばれ、すっかり定着してきました。
「ネットブック」は、ASUSの「Eee PC」で人気に火がつき、2008年に各社が参入し、液晶画面の大型化などで一般のノートPCと見わけがつかない機種まで登場してきています。価格も5万円台、4万円台、さらに2万円を切る機種まで登場しそうな勢いをみせています。
こうした状況を受け、「EeePC」で成功を収めたASUSは本格的に低価格ノートパソコンの大量販売に注力するそうです。
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■大人気の「ネットブック」に商標問題?
そんな大人気の「ネットブック」に商標問題が持ち上がっています。

イギリスのPsion(サイオン)社が、「Netbook」は同社の商標であることを理由に、「Netbook」という言葉を使わないように通達を送ったとのことです。
Psion社、「Netbook」という言葉の使用をやめるよう通告 - GIZMODO Japan

Psion社は、イギリスのハンドヘルドコンピュータメーカーで、小型パソコンを開発・販売していた会社です。同社は1999年、NetBookというハンドヘルドコンピューターを販売し、現在でもアメリカ、EU、カナダ、シンガポール、香港で「Netbook」という商標を持っており、今回の通告となったようです。

■Psion netbookって、どんなマシン?
Psion netbookは、発売当初はEpoc OS「EPOC32 ER5」を搭載していましたが、後にMicrosoft Windows CE.NETに置き換えられています。日本でもMicrosoft Windows CE.NET 4.2日本語版を搭載した「Psion netbook Pro」が提供されました。

●Psion netbook Pro(Microsoft Windows CE.NET 4.2日本語版)
CPU    :Intel XScale PXA255(400MHz)
メモリ  :32MB Flash / 128MB SDRAM
OS    :Microsoft Windows CE.NET 4.2日本語版
サイズ  :235×184×35mm、1.1kg
ディスプレイ:SVGA(800×600ピクセル)
インターフェイス:赤外線ポート、RS232シリアルポート、Mini USB(1.1)ポート

Psion netbook Pro


■Psion社は、世界のケータイ「ノキア」と親密な関係
Pione社は、モバイルに詳しいユーザーには知られているいるPsion社ですが、一般の人は聞き慣れないメーカーでしょう。しかし、世界で使われている「ノキア」のケータイと密接な関係にあるのです。

●Psion社の歴史
Psion社は、1980年に設立されました。設立者は英国物理学者デービッド・ポッター氏。
社名は、「Potter Scientific Instruments Or Nothing」の頭文字から命名されたとも言われています。

1987年 EPOC OSを開発
EPOCは「Electronic Piece Of Cheese」の略。

1990年代 EPOC OSは、16ビットの「EPOC16」からARM CPU上で動作する32ビットマルチタスクOS「EPOC32」と進化。

1998年 OS開発部門をSymbian Software Limitedとして分社。

2000年 「EPOC OS」の名称を「Symbian OS」と変更。
    事実上、スマートフォン向けOSとして再スタートとなる。
    ノキアからSymbian release6搭載「9210 Communicator」発売
    
2004年 Symbian株31.1%の売却を発表。ノキアが過半数を取得する


●Psion社の製品
1984年 Psion Organiser発売
1986年 Psion OrganiserII発売

1991年 EPOC16搭載「Psion 3」発売
1993年 「Psion 3a」発売
1996年 「Psion 3c」「Psion Siena」発売
1998年 「Psion 3mx」発売


1997年 EPOC32搭載「Psion Series 5」発売
1999年 「Psion Series 5mx」「Ericsson MC218(Series 5mx OEM)」、「Series 5mx Pro」ドイツ語版 発売
    「Revo」発売
    「netbook」発売
2000年 「Revo plus」「Diamond Mako(revo plus OEM)」発売
2001年 「Series 5mx Pro」日本語版

Psion Series 5mxPsion Revo plus


日本国内での対応は、株式会社エヌフォー(Enfour)による日本語入力/表示ソフトウェア「UniFEP for EPOC」、Series 5mx/revo向け「UniFEP V2」で、日本語利用に対応(単文節変換)、PSION 5mx Pro日本語版では「UniFEP Pro」を内蔵して連文節変換を実現しました。

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