元イングランド代表監督のスティーブ・マクラーレンが自身の監督解任について激白。ユーロ2008の出場権を逃した理由について選手層の薄さを挙げ、一度は代表メンバーから除外したMFデイビッド・ベッカムを再招集した背景についても明かしている。

 ユーロ2008の予選敗退が決定した直後に解任されたマクラーレン。在任中からその選手起用や戦術などについて批判を受けることも多かったが、マクラーレン自身はイングランド・サッカー界が深刻な若手の才能不足に陥っているとコメント。それは「許容を超えたレベル」だと語り、その背景にはプレミアリーグで数多くの外国人選手がプレーしている環境があると語っている。

「10年から15年前なら、代表レベルの選手が35人か40人くらいいたはずだ。しかし、その数はだんだん減ってきており、今では許容を超えたレベルにまで下がっている。プレミアリーグを見れば、その理由は明らかだ。イングランド代表選手を輩出すべきリーグは、外国人選手に占領されてしまっている。最新のリサーチでは、イングランド人選手の数が全体の38%程度だった。そして、プレミアの4強やチャンピオンズ・リーグでプレーする数は本当に限られている。だから、彼らがいなくなると、代表はとたんに経験不足なチームに成り下がってしまっていた」

 さらにマクラーレンは、ベッカムの再招集の決断を下したのも、中盤の右サイドを任せられる若手選手が現れなかったからだと語っている。

「結局は、中盤の右サイドを任せられるような新たな才能が現れなかったということだ。代表の落選で、デイビッドはかなり落ち込んだはずだが、彼もプロだし、サッカー界ではあり得ることだと割り切っていはずだ。そして、彼は我々が間違っていたことを証明したわけだ。デイビッドが代表100キャップを達成するのは間違いないと思っているし、その先は彼次第だろう」

 在任中は主力選手の負傷など、ベストメンバーを組めない試合が少なくなかったマクラーレン。ユーロ2008予選敗退の全責任を背負った指揮官のコメントは、才能の枯渇を嘆きながら、自身の不運を呪っているようだった。