ベトナムではもはや国民的英雄のパク監督。準々決勝で日本代表の前に立ちはだかる。(C)Getty Images

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 アジアカップのラウンド・オブ16、サウジアラビアとの壮絶戦をなんとか1-0でモノにした森保ジャパン。終盤は自陣に押し込まれる苦しい展開を余儀なくされたが、20分に冨安健洋のゴールで奪ったリードを粘り強く守り切り、ベスト8に駒を進めた。

 試合が行なわれたUAE・シャルジャのスタジアムには、日本が準々決勝で戦うベトナム代表のパク・ハンソ監督の姿もあった。前夜にヨルダンとのラウンド・オブ16をPK戦の末に制し、チームを12年ぶりのアジア8強に導いた韓国人指揮官である。

 2017年9月からベトナム代表を率いているパク監督。かつて韓国U-23代表や全北現代、尚武FCなどで指揮を執った60歳は、その熱いジェスチャーと底抜けに明るい性格で、昔から母国では人気者だった。昨年のアジア大会ではグループリーグ(第3戦)で日本に1-0で競り勝ち、ベトナムは決勝トーナメントでも快進撃。準決勝で韓国に敗れた際も、母国のファンやメディアから賛辞の声が後を絶たなかった。

 
 今回のアジアカップでも韓国ファンの注目の的となっているが、日本対サウジ戦後には報道陣の前に姿を現わし、森保ジャパンへの印象を正直に語った。

「我々(ベトナム代表)の持ち味はパワーだが、それだけで立ち向かおうとしても無理があるだろう。日本の選手たちはほとんどがヨーロッパでプレーしていて経験値が高いからね。とくに彼らの中盤は強力で、すべてのプレーとパスワークが正確だ。ただ、試合のなかではきっとどこかに小さな綻びが生まれるはず。我々はそのわずかなチャンスを逃してはならない。まあ、できるかぎりの分析はするよ。ガチンコ勝負になるね。大いにチャレンジしたいと思う」

 記者に「アジア大会で日本に勝ってますよね?」と問われると、「あれは22歳以下のチームで戦った結果だ。まるで話が違うよ」と笑い飛ばした。

 木曜日の日本戦には、ヨルダン戦の時と同様にベトナムから大応援団が駆け付けるだろう。そして、韓国のファンやメディアも味方に付けている。周囲のサポートを背に大胆策に打って出るか。日本撃破の秘策はあるのか。パク監督のベンチワークからも目が離せない。

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