Android販売数1位(2017)R1より進化したAQUOS R2は、動画と写真が同時に撮れる革命的なAIスマホだ

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シャープは5月8日、2018年夏モデルとして発売するフラグシップスマートフォン「AQUOS R2」を発表した。

AQUOS R2は、NTTドコモ(以下、ドコモ)およびau、ソフトバンク向けのスマートフォンであり、各キャリアでの発表会でもアナウンスされる。

しかし今回のシャープは、これらのキャリア(通信事業者)の発表前にメディア向けに製品の特徴を紹介した、こうした展開により、新製品の周知を高め、他機種の情報に埋もれないように工夫しているのだ。

こうした戦略は、昨年スマートフォンのブランドを「AQUOS R」に統一したところから始まっている。

これまでシャープはドコモ向け、au向け、ソフトバンク向けに、各社の仕様にあわせた端末を製造してきた。
ソフトウェアだけではなく、搭載するハードウェアやデザインなども異なるため、開発コストも当然のように高くなる。

一方で、ユーザー視点で従来のシャープ製品を見た場合、
・カラーバリエーションやデザイン、サイズなどキャリアごとに個性がある
・使用しているキャリアごとに仕様が異なる
・キャリアで機能が異なるケースがある
・機種名が似ているためケースなどのアクセサリー対応がわかりづらい
・本体が異なるためケースなどの種類が少ない
など、メリットもあればデメリットもあった。

はたして以前の状況は、ユーザーにとって良いことだったのだろうか?

魅力的な独自端末でアピールするキャリアの戦略については理解できるものの、7万円を超える高額な端末であるにもかかわらず、自分が欲しい機能は別キャリアのモデルにしか搭載されていないなど、欲しい製品を選べないユーザーのジレンマは、決して喜ばしいことではないだろう。

そこでシャープは昨年、3キャリア共通仕様・デザインの「AQUOS R」を発売したのだ。

こうした統一によってシャープは製品開発の効率化に成功すると同時に、ユーザーの共感を得ることにも成功している。




もちろん要因はこれだけではないだろう。
しかし、シャープは2017年のAndroidスマートフォン販売数で1位を獲得するなどスマートフォン事業は好調で、結果を出しているのは事実だ。




新製品となるAQUOS R2は、ディスプレイのトレンドとなっているアスペクト比16:9オーバーの19:9、縦長ハイスピードIGZO液晶を搭載。三辺狭額縁のベゼルレスデザインを採用し、AQUOS Rに近いサイズで大画面化を実現している。

この液晶はシャープらしい先端技術を採用した「フリーフォームディスプレイ」によるもので、端末の角の丸みにあわせてディスプレイの角を通常の液晶パネルではあり得ない丸い形とした。
こうすることで、フレームに近いギリギリの位置に液晶パネルをレイアウトできるため、余白のないベゼルレスデザインを可能としているのだ。

さらに、本体上部にあるインカメラを避けるにように液晶をカットすることで、インカメラの左右の余白にも液晶ディスプレイをレイアウト可能とした。
最近はこの上部の切り欠きをノッチと呼んでいるが、シャープもそれに習った必要最小限のノッチデザインで効率の良い大画面化を果たしている。




こうしたトレンドを取り入れた外観のほかに、もうひとつトレンドとなるリアカメラには2つのカメラを搭載する。

シャープはこの2つのカメラを「ツインカメラ」と呼んでいる。

ツインカメラの特徴は以下の通り
スマートフォンのカメラとしては一般的な静止画撮影用の標準カメラ
・広い範囲を撮影可能な135°の動画撮影用超広角カメラ

なお、2つのレンズを使った背景のぼかし効果には対応していない。

静止画撮影では、AIによる被写体認識で犬や猫を認識し、被写体がブレないシャッタースピードに自動設定してくれる。また、料理や花などを認識しそれぞれが綺麗に見えるよう色を調整してくれるのだ。

カメラの設定に詳しい人だけが上手く撮れていたシーンでも、AIがカメラ設定を変更してくれるため誰でも綺麗な写真が撮れる仕組みなのである。

このAIによるシーン認識はデジタルカメラよりも進んでおり、スマートフォンが今やカメラの最先端となっていると言っても過言ではない。




さらにシャープは、動画機能にも新機能を搭載してきている。
スマートフォンの動画撮影はこれまで、利用シーンがあまり見えてこなかったが、最近ではInstagramをはじめとするSNSへの短い動画投稿や、YouTubeなどへの投稿用など明確な用途が生まれてきている。

一方で、こうした共有を軸としたコミュニケーションが得意なユーザー以外、動画撮影に対して積極的ではない。

そもそも動画の良さや使い方が伝わっていないこともあり、普段の記録は静止画で満足しているというわけだ。

そこでシャープは動画専用の超広角カメラを搭載し、手前から奥までピントがあった静止画にはない独自の映像表現をプラスした。
例えば、
動き回る子どもやペットを追いかけても、広い範囲を写せる超広角レンズであるため画面からはみ出すことなく綺麗に撮影ができるというわけだ。

とはいえ、いざ動画を撮影しようとなったとき、
・動画で撮るべきか
・静止画で撮るべきか
と、悩むことは多い。

シャープはこうしたニーズに応え、動画撮影に革命を起こした。

動画を撮っておき、静止画を撮りたいタイミングでシャッターボタンを押す。
すると動画とは別に静止画専用のカメラが高画質な静止画を撮影してくれるのだ。

これなら、
・動画で動きや音声が記録として残せる
・高画質な静止画も同時に記録もできる
というわけだ。
さらに、静止画はAIが笑顔や最適な構図になったときに自動で撮影してくれるため、我々がほんの一瞬の出来事で見落としてしまうようなシャッターチャンスも見逃さないのだ。いつ来るかわからないシャッターチャンスに集中して疲弊してしまうこともなく、動画を撮るだけで、静止画も記録してくれる、新しいスマートフォンのカメラの使い方である。

動画と静止画を別々に撮影できるというツインカメラの使い方は、発明とも言うべきだろう。
まさに。
“目のつけどころがシャープ
と久々に言いたくなる製品である。

高解像度な4K動画撮影にも対応しているので、静止画とは別に動画を撮っておけば秒間30コマの動画の中から決定的な一瞬を切り出して保存することも勿論可能だ。

AQUOS R2は、ただトレンドの機能を搭載するのではなく、ユーザーニーズを見据えたシャープなりの解釈が光るスマートフォンと言えるだろう。


執筆  mi2_303