駅員「絶叫」のワケは(画像は当該動画のスクリーンショット。編集部で一部加工)

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「ルール守れないんだったらやめてくれよ!!!」――2016年8月30日、昼下がりのJR豊田駅(東京都日野市)に駅員の怒声が響き渡った。

駅員が怒鳴ったのは、ホーム上に集まる鉄道ファンのようだ。その様子は現場に居合わせたツイッターユーザーによって動画で報告され、夜になっても拡散を続けている。一体何があったのか。

撮り鉄」が三脚をホームに持ち込む

ツイッターで拡散されている動画は19秒。たくさんの人がホーム上を歩く中、駅員の男性が突如「ルール守れないんだったらやめてくれよ!!!」と絶叫する。

詳しい状況は分からないが、ホームを歩く数人の男性が脚立やカメラを抱えており、ホーム上で何らかの撮影が行われていたと推測できる。

ホーム上で何があったのか。豊田駅を管理するJR東日本の八王子支社はJ-CASTニュースの30日の取材に

「三脚を用いて撮影されているお客様がいらっしゃいました」

と明かす。

当時、緑色とオレンジ色のボディでおなじみの115系列車が「廃車回送」という形で、3番線(東京方面行き)ホームを通過していた。廃車となった115系が機関車に牽引されていく。その瞬間を一目見ようと集まったのが、車両撮影が好きな鉄道ファン、いわゆる「撮り鉄」と呼ばれる人々だ。八王子支社の担当者によると、一部の「撮り鉄」はホーム上に持ち込み禁止の三脚を立てていたという。

点字ブロックをふさいだり、ホーム上に落ちて列車の運行を妨げたりするおそれがあるため、三脚をホームに立てることは認められていない。つまり、動画の駅員が言う通り、「ルール守れない」鉄道ファンがいたようなのだ。

115系の廃車回送はファン「垂涎」のシーン

そうした状況は、115系通過の直前に同駅を出発した列車の車掌から運輸指令所に伝えられていた。運輸指令所とは、乗務員に業務指令を行う機関だ。

車掌は「3番線にたくさんのカメラマンがいる。後に入ってくる電車に影響がある」と連絡。実際、115系通過の直後3番線に到着する列車は同駅の手前で2分間停車し、駅側の「安全確認」を待ったという。

ともあれ、ホーム上の鉄道ファンがルール違反をしてしまう状況だったのは間違いなさそうだ。では、駅員はなぜ怒鳴ったのだろうか。八王子支社の担当者に聞いてみたところ

「動画はこちらで把握しており、現在事実関係の確認を進めています」

とのことだった。

ちなみに、担当者いわく115系の廃車回送は鉄道ファン「垂涎」のシーンだったらしい。

「115系は数がとても少なくなっている車両です。そんな車両が機関車に引かれていくという場面は、ファンの方に珍しく映ったのではないでしょうか」