中国メディア・新浪網は14日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)アカウント「微天下」で「日本が各国首脳を被爆地に招待したがる意図はなにか」とする文章を掲載した。この文章に、多くの中国ネットユーザーが反応を示し、コメントを残した。(イメージ写真提供:(C)  John VanBeers/123RF.COM)

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 中国メディア・新浪網は14日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)アカウント「微天下」で「日本が各国首脳を被爆地に招待したがる意図はなにか」とする文章を掲載した。この文章に、多くの中国ネットユーザーが反応を示し、コメントを残した。

 記事は、岸田文雄外相が4月27日の核拡散防止条約(NPT)再検討会議において、各国指導者が広島・長崎の被爆地を訪れることを希望すると発言したこと、一方で12日に発表された合意文書案にこの提案が盛り込まれなかったことを紹介。そのうえで、日本政府がこのような提案をした背景として「安倍政権が日本の『戦争被害者』としてのイメージを強調しようとしている」とする分析が出ていることを伝えた。

 また、中国政府・外交部の華春瑩報道官が13日の記者会見で「中国首脳が広島、長崎に訪問するかを聞かれる前に、私は先に日本の首脳がいつ南京大虐殺犠牲者記念館を訪れるのかを聞きたい」とコメントしたことを併せて紹介した。

 この記事に対して、微博ユーザーからは「(日本の提案に)反対」、「陰謀がある」、「自分たちも被害者だって言いたいんだろ」、「哀れそうに装って、第二次大戦時の被害者だって言いたいんだ」といったコメントが寄せられた。また、「やつらを南京に来させよう。ミャンマー、真珠湾にもだ」、「抗日戦争歴史博物館は、日本国民に対して無料開放すべきだ」とするユーザーもいた。

 さらに、「日本のボスであるオバマが行けばいいだけの話」、「日本は米国を招待するだけで十分」、「どのみち原子爆弾はわれわれが落としたわけではない」として、中国を含む各国首脳をわざわざ呼ぶ意味への否定的な見解、「どうして原子爆弾を落とされた理由を示そうとしないのだ」との声も飛び出した。

 「被害者を装いたがっている」というコメントは、日本が侵略の歴史を正視しないとの立場をとる中国側にとっては自然な見方かもしれないが、実際に被害を受けた広島、長崎の人びとにとっては到底受け入れられない意見だろう。この溝を埋めることは難しいかもしれない。ただ、悲劇しか生まない核兵器の使用例がこれ以上増えないよう願う気持ちは、みな共通であることを願いたい。(編集担当:近間由保)(イメージ写真提供:(C)  John VanBeers/123RF.COM)