インテルMFエルナネスは10日のセリエA第35節ラツィオ戦で2得点を挙げた。同点弾となる1点目のゴールを決めたとき、同選手はバク宙を見せている。試合後、元ラツィオのエルナネスは「人生で最も悲しいバク宙だった」と称した。

だが、その味わいは深いものだったはずだ。バク宙をしてから、ラツィオのサポーターは彼に向けてブーイングを飛ばし続けたが、エルナネスは次のように説明している。

「僕は“預言者”(エルナネスの愛称)だ。でも、それでも人間であり、プライドや情熱がある。僕は傷ついていたんだ」

何に傷ついていたのだろうか。簡単だ。ラツィオのクラウディオ・ロティート会長の言葉に、である。

「特別な試合だった。僕はすごく大事に思っていたんだ。インテルのサポーターに言われるんだよ。 『ラツィオ時代のエルナネスはもっと強かったぞ』ってね。でも、僕は今の方が強くなったと感じている」

「それに、2カ月前に僕があまりプレーしていなかったとき、ロティート会長はちょっとしゃべりすぎた。バック転をしたのは、彼が考えを変えるかどうかを見たかったからだ。彼は、僕を売ったのは良いビジネスだったと言った。僕はそれをよく思わなかったんだ。うまくいっているときは、何かを言えると思うものだけど、いつだって敬意を払う必要がある」

この6試合、エルナネスはむしろインテルにとって良いビジネスだったことを示してきた。ジェルダン・シャチリからポジションを奪い、インテルをヨーロッパリーグ出場レースにおいてけん引している。

「僕は自分がトレクアルティスタ(トップ下)だと感じている。以前は複数のポジションをこなせると考えていたけど、今はトップ下がいいんだ。今日のパフォーマンスには満足しているけど、それはゴールを決めたからだけじゃない。(マウロ・)イカルディに決定機をつくったからでもあるんだ」

だが、次節のユヴェントス戦でエルナネスはそれをすることができない。ラツィオ戦でイエローカードをもらったため、累積警告で出場停止だからだ。出場できれば、7試合連続の先発出場となっていたはずだった。