/一秒一秒という砂金を大切に拾い集めて、そこから実りを引き出すか、それとも、こんなちっぽけなもの、と、指で弾き飛ばしてしまうか。しかし、自分の幸せを自分で捨ててしまう人は、ぜったいに幸せにはなれない。/男がいつものように玄関を開けて出ると、そこになにか金色に光る小さなものが落ちていた。拾ってみる。麦粒ほどのなにか。金色のメッキかペンキが剥げて丸まったものか。へっ、なんだ、くだらない、つまんねぇ、