どこからか不気味な笛の音が聞こえてくる。身を潜めるようにただ本を読んでいるだけなのに、その音はどんどんこちらに近づいてくる。何だか落ち着かない。逃げ出したいけど、何が起きているのかは気になって仕方ない。耳に障るような苛立たしさと、心をざわめかせる不穏さを孕んだ音色に、ただひたすら翻弄されているうちに、さらにゾッとさせられるような展開が待ち受けていた。映画化が話題、押切蓮介の超絶ホラー『サユリ』。