井上ひさしがシェイクスピア全作品の要素を巧妙に盛り込んだ傑作戯曲『天保十二年のシェイクスピア』。初演は1974年で出口典雄が演出を手がけ、以降もいのうえひでのり演出版(2002年)や蜷川幸雄演出版(2005年)として上演され、そのたびに伝説となるほどの強いインパクトを残してきた名作だ。2020年には藤田俊太郎演出版が上演されたのだが、コロナ禍の影響を受け一部公演が中止になるという憂き目に遭ってしまった。あれから4