安いことは本当にいいことなのだろうか。佐賀県嬉野市の茶農家たちが2017年、1杯5000円で特産品「うれしの茶」を振る舞う観光プログラムをはじめた。かつて地元の飲食店やホテルが無料で提供していたお茶に、なぜ高い値段をつけたのか。フリーライターの伏見学さんが、茶農家たちに狙いを取材した――。■「うれしの茶」に起きている地殻変動佐賀県の南西部。長崎県と隣接する人口約2万5000人の嬉野市。2022年9月に開業した西九州