中国主席になり損ねた男その人物は、目の前に座っていた。とある公益財団法人の訪中団に入れてもらい、中国レポートを書く仕事をしていた時のことだ。ツアーが始まった大連で市政府主催の歓迎レセプションが開かれた。そこにいたのが大連市長だった薄煕来氏である。当時、薄氏は50歳前後だったはずで、恰幅がよく大物オーラを漂わせていた。本書によれば薄氏は、後に中国共産党内での地位を高めていき、2007年には重慶市長となって