マイクロソフトのOutlookがiPhoneとAndroidに登場
実は名前が変わったAcompliなのだが。
AcompliはOutlookライクな良く出来たモバイルアプリを開発した。マイクロソフトはそれを買収し、名前を付け替えただけのものを、正式なiOSおよびAndroid版Outlookアプリとしてリリースした。
マイクロソフトはOffice製品の展開をiPhone、iPadおよびプレビュー版のAndroidタブレットで行おうとしている(現在、Androidの方はプレビュー版が取れた正規リリースとなっている)。同社はWindowsモバイルのユーザーに対して、Officeおよびメーラー・カレンダー製品を提供しているが、最もポピュラーなモバイルプラットフォームでこれらを提供出来ていないことは大きな穴と言えた。
Acompliはこの穴を埋め合わせるのに都合が良かったということだ。
Outlookと同じく、Acompliもメール、予定、連絡先および添付ファイルマネージャを一つのアプリにしたものだ。ユーザーは互いに互換性の無いアプリ間を行ったり来たりする必要が無い。マイクロソフトはAcompliを去年の12月に買収するやいなや、この名前を新しく変えてリリースした。以下はあなたが知っておくべきことだ。
よりベターなOutlookを作る
Outlookがデスクトップにおける強力なeMailクライアントであることは言うまでもないが、iOSやAndroidプラットフォームにおいてはそうではない。
またOutlookがデスクトップにおいて数十年間寡占的な立ち位置を占めている事も、あらゆるバージョンのMS-Officeにバンドルされていることを考えると驚くようなことではない。しかし先週の木曜まで、iPhoneやAndroidではOffice356のユーザーが使えるWebアプリか、サードパーティー製の代替品くらいしかなかった。
こういった選択肢のほとんどは完全な状態のOutlookと比べると霞んでしまうものだったが、その中のあるものは違った。2014年4月にリリースされてから三年も経たないうちに、Acompliは瞬く間に賞賛を集め、ヒットを飛ばした。あまりの出来事にマイクロソフトは思わずそれを自分たちのものにした。
Acompliの共同設立者であり、現在はOutlook部門のマネージャーであるザビエル・ソルテロはMicrosoft Officeブログで、この買収の話で何十億のOfficeユーザーベースを獲得することになり、またOfficeおよび、世界一人気のあるデスクトップメールアプリである(正式版の)Outlookとのよりタイトな連携も可能になると語っている。
この新しいOutlookによって、これまでiPhoneでの数ヶ月間使っていたAcompliは終わりを迎えることになるが、その時、私にとって3つの問題が浮かび上がってくる。Webブラウザの選択、メッセージの優先度フィルタリング、そして添付ファイルビューアについてだ。
メールおよびドキュメントリンクの閲覧に使うデフォルトブラウザとして、Safariの代わりにChromeを選ぶことが出来る。メッセージの優先度を設定し、大事なメールを見つけるのにFocused inboxは完璧ではないものの簡単に使えて十分に便利なものだ。またChromeにはDropboxやGoogle Drive、BoxやマイクロソフトのOneDriveといったクラウドストレージと統合された添付ファイルビューアー機能も備わっている。
これらの機能は少なくとも今の所全て、新しいOutlookにも備わっている。しかしマイクロソフトは矢継ぎ早に多くの変更を行うつもりでいるようだ。
「Acompliユーザーにとって、同じコードベースを元に開発を進めているOutlookは馴染みのあるものになるでしょう。今後も顧客が馴染んだOutlookのユーザーエクスペリエンスを提供するため、活発なアップデートを行って行きます。」という、マイクロソフトの公式ブログでの発表があった。
言い換えればマイクロソフトはAcompliアプリを早急にOutlookの類似品と言えるものにしたいということだ。彼らがどれほど急いでいるかについては、Office部門のマネージャ、ジュリア・ホワイトがVergeに「我々はこれまでもこれからもアプリを毎週アップデートして行きます」と語ったことで明らかとなった。
これらのアップデートにより、マイクロソフトはますます自社独自のサービス提供に重点を置くことになるだろう。幸い、Google Driveやその他のクラウドストレージサービスとの統合機能は犠牲にならないようだ。
強力なメール処理能力
Acompli、ではなくOutlookが、自社のOutlook.comやExchangeと同じくGmailやYahoo、iCloudなどのサポートも継続するだろうか?もちろんだ。これらメジャーなサービスプロバイダとの接続性を持つことは、マイクロソフト自身にとってもユーザーのアプリに対する依存を促す点で意味がある。
またOutlookでもGoogleのInboxやDropboxのMailboxなどで人気があるメールをスワイプしてスケジュールやアーカイブに入れたり削除する機能がサポートされる。
この機能は溜まっているメールを迅速に片付けるのにとても有用であり、マイクロソフトのユーザーベースを主に構成する企業や社会人ユーザーにアピールすることだろう。
企業相手のビジネスはマイクロソフトにとって常に最も優先順位の高いことであり、また近年ではWorkMailサービスを提供し始めたばかりのアマゾンとの競争が激化している事もある。ホワイトが語る所によると、「私達はこの非常に重要なビジネス及び、アプリの組織能力の仕上げに入ることになる」とのことだ。彼女はこのコメントについて詳しく説明しなかった。しかし毎週行われるというアップデートのおかげで、この事が何を意味するのか明らかになるのはそう遠くないことだろう。
現在、iOSおよびプレビュー版Android用のOutlookはダウンロード可能だ。どちらのユーザーも好意的なレビューを残しているようである。しかし様々なバグの報告も寄せられているようだ。しかしこのプレビュー版アプリが事実上のβ版だということを考えるとわからない話ではない。
インターフェイスは30の言語をサポートしており、iOSではバージョン8.0以降、Androidでは4.0以降が必要だ。試してみたいのであれば、AppStoreかGoogle Playから入手するか、以下にエンベッドされたビデオを再生するといい。
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Adriana Lee
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