Nvidiaの自動運転車における戦略
先端のグラフィックプロセッサであなたの運転がレベルアップする
1月4日に行われたNvidiaの報道カンファでは二つの事が語られた。1つ目はXbox Oneレベルのグラフィック処理能力をスマートフォンに組み込めるという”モバイルスーパーチップ” Tegra X1の発表。そしてこの企業が最初に持ってきたかったことは、やはりモバイルなのだが、自動車に関するものだ。
CEOジェン・スン・ファンによると、昨年登場したMaxwellアーキテクチャのTegra X1は、先代モデルのTegra K1の2倍の処理能力があるという。省電力性にも優れており、モバイル用途にも適している。
悪い事に、このチップはスマートフォンやタブレット向けに展開されないということだ。しかしモバイルにおけるロスは自動車のほうでカバーできるかも知れない。なぜならこのチップはNvidiaが考える、センサーやカメラを使った自動運転車のアイデアを前に進める事が出来るかも知れないからだ。
高性能なチップ群
Nvidiaは、Tegra X1には1Tflopsの処理能力があると主張する。これは2000年に世界最速だったスーパーコンピューターの性能に匹敵する。今日の水準からすると唸りを上げるほど速いというわけでもないが、8コア 64-bitのチップは性能面で不足することはないと主張する。
X1の紹介として、Nvidiaはスマートフォンで、グラフィックを酷使するゲームを作る際のツールであるUnreal Engine 4を使ってつくられたビデオを流した。チップの性能を使い切ったであろうそのデモの出来は上々だった。
残念なことにNvidiaはスマートフォンではX1のパワーを使い切ることは出来ないと考えており、話を持って行く先として自動車メーカーを選んだのだ。
Nvidiaはリアルな竹やアルミ仕上げのダッシュボード、計器、マップなどがシミュレートされた”デジタルコクピットコンピュータ”、Drive CXを紹介した。
またセンサーやカメラから入力される大量のグラフィックを処理し、自動運転を可能にするための、X1を複数使い2.3Tflopsの処理能力を備えた新しいプラットフォーム、Drive PXも紹介した。
将来のスマートカーに向けて
自動車はいずれ、これまでに無く多くの処理能力を要求することになるとフアンはいう。
この事を説明するために、彼は話はアカデミックな所に向かい、機械学習の性質と利点、ニューラルネットワーク、そして処理が重い画像を認識し、次の決定を行う為のテクノロジー “GPUアクセラレーテッド・ラーニング”について、プレゼンとしては不要なところまで語った。
しかし彼の情熱と企業のビジョンは、NvidiaはX1を搭載している車が自動で駐車し、走り、動物が飛び出してきた時はただストップするだけでなく、飛び出してきた犬の種類まで分かるようになることと考えている事を説明するものだ。
Audiもこれに賛成のようだ。Nvidiaのステージに加わり、自動制御の車とCGで作られた車のインテリアに賞賛を送った。私達の運転は未来への際にあるという事の現れなのかも知れない。
画像提供:Adriana Lee
Adriana Lee
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