2014年のソーシャルメディアの流れを作った5つのトレンド
メッセージング、フォロー、そして匿名性
モバイルに身を置くということは、ソーシャルに身を置くということでもある。Yahooが買収したモバイルアナリティック企業であるFlurryによれば、2014年、スマートフォン及びタブレット上でソーシャルアプリに費やす時間は、一日あたり45分になり、その長さはゲームに次ぐという。SNS、メッセージング及びその他のソーシャル関係のアプリに費やされる時間の割合は、2013年には24%だったのが、2014年では28%に増加した。
フェイスブックは未だにその大多数を占めるが、SNSにおいてフェイスブックありきというパラダイムは、様々な意味において2014年に崩壊した。ソーシャルとはどこか一箇所に皆が屯するようなものではなく、アプリごとに分断された様相を呈しており、そのコネクションもフェイスブックの友達リストと比べると、より一過性の強いものだ。
こういった変化はフェイスブックについても無縁ではなく、むしろこの様な動きを後押ししてきた面もある。しかし2014年で最も興味深いことといえば、このゲームは既にフェイスブックのみで左右されるものではなくなっている点である。
分割するのは簡単だ - それがフェイスブックであっても
スマートフォンにはほとんど秒単位で通知やアップデートが飛び込んでくる。これらに対してSNSが出した回答は、サービスを幾つかのアプリに分解する、もしくは特定の目的のために新しいアプリをリリースするということだった。
このトレンドの代表がYoだ。エイプリルフールにリリースされたこのアプリは、友達に一言”Yo”とだけ送ることが出来るメッセージングアプリだ。
フェイスブックが出したスタンドアロンのメッセージングアプリも、このトレンドを大衆に推し進めた。強制的に使わされることに対する抵抗もあったが、これによりニュースフィードからのアップデートに煩わされること無く、友人と連絡が取れるようになった。スタンドアロンアプリは、いわば1つの大きなWebサイトがもつ特定の機能へのショートカットのようなものだ。
「みんなを繋ぐということは、様々な人に様々な種類のコンテンツをシェアする力を与えるということだ」と、フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグはコンファレンスで述べた。「我々はフェイスブックのメッセンジャーを超えるスタンドアロンのアプリを提供することによりこの事に注力する。Instagramは偉大な成功例の1つだ」
ソーシャルニュースアプリのPaper、フェイスブックコミュニティー向けのアプリであるGroupも、この年にスタンドアロンで切りだされたアプリの例だ。
Foursquareもこの分割トレンドに乗って、ロケーションベースのチェックイン用アプリ、Swarmを出した。
メッセージングが会話の主な手段に
フェイスブックがWhatsAppを170億ドルで購入したのは、人々のメッセージングアプリに対する関心の高まりを受けてのことだ。これらの多くは無料で使え、古くからのテキストメッセージングや、PCのインスタント・メッセンジャーに代わる手段として、非常に多くのユーザーを捉えた。WhatsAppの他、Snapchat、Line、Viber、WeChatなど、候補は数多くある。
メッセージングアプリを使う理由は、2014年に大きく変わった。それはヨーロッパにおいてテキストメッセージングが高く付くためであったり、絵文字などのビジュアルなコミュニケーションがアジアで好まれることであったり、米国では送った写真が何時までも残らないことが望まれたりと言った具合だ。
実際の所、メッセージングアプリはそれぞれ異なる目的によって選ばれており、一つのアプリで全てのニーズに応えられるようなものは存在しない。
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アンチフェイスブックの台頭
2014年はフェイスブックが人畜無害な存在ではないということが明らかになった年だった。SNSがどの様にユーザーをWeb上で追跡するかについて警告が表示されるかも知れないが、それらはスルーされてしまわれがちだ。フェイスブックが心理学上の実験として、70万ものユーザーに一週間、投稿内容で気分がどう変わるかという実験を行ったことは許しがたいことだ。
他にも気分を害したユーザーが、フェイスブックが強制する数少ないルールを犯したとして、あるドラッグ・クイーンをフェイスブックから追いだそうとしたこともあった。
フェイスブックの幹部はこれら2件について謝罪したが、これと同時に新しいSNSであるElloの立ち上げのための下準備も始まった。”アンチフェイスブック”としてこれを展開しているポール・バドニッツは、このサービスが広告及び追跡とは無縁のものになると約束している。
Elloが多くのユーザーを惹きつけることになるかは定かではないが、こういった存在は、まさにSNSは広告主ではなくユーザーを第一にするべきだという事を我々に思い出させてくれる。
友達申請の終わり
ソーシャルアプリはゆっくりだが確実に1対1のコミュニケーションおよび、お互いに行う「友達申請」から遠ざかっている。Instagram、LinkedInそしてFoursquareは、ユーザーは他のプロファイルを「フォロー」するよう呼びかけている。
興味のある人やセレブ、ブランドをフォローする事で、実世界の付き合いに限られた人をフォローするよりも自分のネットワークが広がる可能性は増える。また送った友達申請が受け入れられるのを待つ必要もないため、余計な気掛かりもしなくてすむ。
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やり取りは匿名で
2014年のコネクションにおける究極の形は、匿名でのやり取りだ。Secret、Yik Yak、Whisperはそれぞれ立ち上がるや、オンラインでの匿名性で人々の強い関心を集めた。これもオンラインでは全て実名で行うという、フェイスブックが作り上げたものに対する反動だ。
この匿名性にはマイナス面もある。Secretはタチの悪い書き込みに苦労した結果、書き込みに実在の名前を入れさせないよう対策した。Whisperはその幹部が投稿した人の追跡は可能だと誇らしげに語った結果、その匿名性に疑問が寄せられた。
昔のWebに見られた匿名性は、明らかに復興の機会を伺っており、フェイスブックもRoomsというアプリでこの流れに加わろうとしている。Roomsは厳密な意味で匿名のやり取りというわけではないが、インスタント・メッセンジャーで使っていたようなハンドルを使って会話を行うものだ。
2015年は何が起こるだろう?皆さんの考えはいかがだろうか。
トップ画像提供:Jason Howie
Ritika Trikha
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