YouTubeキラー気取りの「Vessel」について分かっていること
彼らはユーザーがスターについてくると考えている
新規のネット動画スタートアップ、「Vessel」が2015年、YouTubeに挑もうとしている。彼らにはHuluのCEO ジェイソン・キラール、CTOのリチャード・トムがついており、そのチャンスはあるようだ。
7月から投機の対象となっているVesselは、サイトのオープンが来年の早い段階になるという情報を先週の水曜日に発表した。
ではそれまでの間、我々がこの企業について分かっていることを紹介しよう。
購読料は2.99ドル
Vesselでは、シェーン・ドーソン、イングリッド・ニールセンといったYouTubeの著名なvloggerの動画を、月2.99ドルでどこよりも早く観ることが出来る。これはスターたちとVesselが、3日〜1月の期間、動画を独占的に放送できるという契約を結ぶことに寄って可能となる。その期間が過ぎれば動画はどこでも見られるようになる。
Vesselはその実、クリエイターのためのサービスである
Vesselの様な企業が収益を上げるために、YouTubeの著名なスターからのサポートを得ようとしている。そのため、キラールはVesselを利用することによって広告収入で成り立っているYouTubeなどの様なサイトで活動するより20倍ほど稼げると強調する。Vesselの広報によれば、「サービス初期の段階で、クリエイターは1000ビューあたり50ドルの収入を得ることが出来ると見込んでいる」とのことだ。YouTubeの場合、1000ビューあたりの収入は2ドルである。
YouTubeに対する不満を味方につける
YouTubeで活躍するクリエイターたちは、上がった収益のうち、僅か55%だけを手にすることが出来る。ここ数年、vlogger達はYouTubeに取り分を上げるよう頼み込みつつ、他の活動手段が無いかを模索していた。この状況はVesselにとって、YouTubeで活動するクリエイター達のトップ100-200にオファーを出すのに好都合だ。YouTubeにとって、クリエイターたちに今以上の額を支払うべき理由はない。そしてVesselにとってはYouTubeが育て上げたスターたちから大きな収益を上げるのに都合がいい状況となっている。
「ネットがメディアで築き上げてきた様々なプラスの事があるにも関わらず、これまでそのクリエイターたちにとって、動画を公開することでの長期継続的に収益を上げる道筋というのは確立されていない。この状況は変えることができるし、変わるべきだと考えている」と、キラールは述べている。
Vesselはまだサービスを開始してないが、YouTubeは気がかりなことだろう。Vesselがスターの引き抜きをしない間も、ユーザーを獲得することは出来る。そしてユーザーがVesselでスターたちのコンテンツを見た場合、それをYouTubeやその他で改めて観る理由は彼らにはない。
トップ画像提供:Vessel
Lauren Orsini
[原文]