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単なる「ジョーク」製品ではなかったらしい

ダンボール製の仮想現実ビューワー「Google Cardboard」がこの夏発表された時、人々は、これはジョークだろうと考えた。しかし、グーグルは真剣だったようだ。疑っても無駄である。なぜならばグーグルはGoogle Cardboard用に開発キットを発表したからだ。

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グーグルによると、これまで500,000 ユニットが出荷されたという箱型VRヘッドセットは、Oculus Riftやそれを利用するサムスンGear VR同様に、独自のSDKを持つことになった。これにより、AndroidのデベロッパーやUnityのゲームデベロッパーは、 ヘッドトラッキング、歪み補正、サイドバイサイド・レンダリングなど仮想現実の複雑な要素を利用するCardboard向けアプリを作ることができる。

すでに多くのCardboardが出荷されているが、自ら開発するエンドユーザーがさらに存在する。5億という数字には、趣味で自作する人たちは含まれていないのだ。グーグルは、取り扱い説明書も製品発表と同時にリリースし、設計図も同様に改定した。

その新しい仕様では、様々な器具の利用が可能になった。たとえば何枚も重なったカードボードを切る大型の器具から、1枚に穴を開ける小さなカッターナイフなどが利用できる。これなら、大金を支払ったり、さらに高級なハードウェアを買わなくても、誰もが仮想現実を体験するチャンスを得ることができる。買う場合でも、新しい小売パートナーであるDODOcaseやI Am Cardboard、Knoxlabs、Unofficial Cardboardなどから、キット一台当たり約22〜25ドルで手に入るのだ。

まだ試したことがないのであれば、Cardboardですでに何ができるのか知れば驚くに違いない。Volvoの仮想テストドライブ、ミュージシャンのジャック・ホワイトによる3Dパフォーマンス、仮想世界でポール・マッカートニーの演奏をステージで楽しむことのできるアプリ、そして3Dゲームやその他アプリもある。

正式なSDKが入手可能になった今、こういった事例はますます増えていく可能性がある。グーグルはGoogle Play内で基本となるCardboardアプリを見つけやすいよう、Cardboardアプリも整理した。これでユーザーはアプリを見つけたり、定期的にチェックすることが簡単になった。

段ボール箱ほど遊びの精神を呼び起こすものはない。しかし、それだけではグーグルのVRに対する野望の全てを知ることはできない。Cardboardはむしろ、より大きな計画、まだ明かされていない計画の基礎をなすものだと考えるべきであろう。

トップ画像提供:Google

Adriana Lee
[原文]