日本vsホンジュラス 試合後の選手コメント

写真拡大

[11.14 キリンチャレンジ杯 日本6-0ホンジュラス 豊田ス]

 日本代表は14日、キリンチャレンジ杯でホンジュラス代表と対戦し、6-0で大勝した。前半9分、ブラジルW杯以来の代表復帰となったMF遠藤保仁の左CKからDF吉田麻也が先制点を決めると、同41分にFW本田圭佑、同44分に遠藤が追加点。後半2分にFW乾貴士、同24分にはFW豊田陽平に代表初ゴールが生まれ、乾は後半29分にも2点目を決めてゴールラッシュを締めくくった。

以下、試合後の選手コメント

●FW豊田陽平(鳥栖)

「やっと決めることができた。ゴールを決めて、また一歩進めた。それはポジティブに捉えて、次につなげていきたい」

―ホッとした?

「少し楽になったのはあるかもしれないけど、満足せず、(ゴールを)積み重ねていけるようにやっていきたい」

●FW乾貴士(フランクフルト)

「しっかり結果を残せたことはうれしかった。ちょっとはアピールできたかなと思うけど、この1試合だけじゃない。まずはしっかり次の試合をやらないといけない」

―1点目はファーストタッチだった?

「2タッチ目ぐらい。(本田)圭佑くんが持って中を向いた瞬間、来るかなと思って、スピードアップしてしっかりゴール前に入れた。ボールがよかったので、(シュートは)そんなに難しくなかった」

―2点取って大きなアピールになった?

「自分は得点だけじゃないと思っている。もっと違うところでボールに絡んだり、いいコンビネーションだったり、1対1で仕掛けたりしないといけない」

●FW岡崎慎司(マインツ)

―個人的にはどうだった?

「最低限のことはできたと思うけど、シュートをもっと打ちたかった。自分にもボールが集まってくるようなパターンが欲しいなと思う」

―結果については?

「今日は闘えたことが一番。みんなの点を取りたい、結果を出したいという熱い気持ちがもう一度甦ってきた。点を取りたいという気持ちを前面に出すサッカーができたことが一番の収穫だった」

―どうやって気持ちを取り戻したのか?

「W杯を終えて、何か新しいことをやらなければいけないということで詰め込んできたけど、4試合を終えたとき、(次は)初心に帰るべきときだと思った。(ブラジル戦後に)いろいろと言われていたけど、それで良い方向に行けたのだと思う」

―気持ちを見せられてよかった?

「育成年代のこともいろいろ言われている中で、戦術でもトップである僕らが示すことが重要。その中でも、一番見せないといけないのは気持ちだと思う。大事なのは勝つこと。目の前にあるアジア杯で優勝すること。それをクリアすることでチームがまた一からスタートしていける」

●MF遠藤保仁(G大阪)

―久々の代表戦だったが?

「うまくいかなかったところもあるけど、準備期間が短い割にはそれなりによくできたと思う」

―初めてのフォーメーションだったが?

「飛び出しのタイミングやビルドアップの参加には微妙なバランスが必要になってくるので、そのあたりを注意してやった。あとは攻守の切り替えだったり、できるだけ高い位置で相手をハメに行くことを注意しながらやっていた」

―ゴールシーンは?

「最初、中に入って、戻ってきてからだったのでマークがズレていたと思うし、フリーだったので、振り抜くだけだった。いいゴールだったと思う」

―イメージどおり?

「とりあえず枠に飛ばそうと。もうちょっと低い弾道で狙ったけど、ちょっと甘くなった。でもゴールはゴールなので、3点目だったし、勝負を決めるようなゴールを決められてよかった」

―アギーレ監督になって初出場だったが?

「前のキャンプやトレーニングは分からないけど、いい練習ができていたし、試合前のロッカールームの雰囲気も良かった。モチベーション高く、常に勝つという気持ちを前面に出しながらやれたのは良かった」

―これまでの4試合では1勝しかしていなかった。

「今日のゲームなら、勝って当然だと思うけど、勝つことでチームに落ち着きをもたらすことができるし、自分たちもいいイメージを持てる。これまでの4試合は満足するような結果が出ていなかったと思うので、今日の勝利をきっかけに、次のオーストラリア戦でさらにいいゲームをしたい。それがアジア杯につながると思うし、今日の試合に満足している選手はいないと思う」

―オーストラリア戦に向けては?

「もちろん勝ちに行きたいし、アジア杯でも対戦するかもしれない。ここでしっかり叩いておかないと。監督が代わって、試合の入り方やゲームの組み立て、フィニッシュに行く形はさらに良くしていかないといけない」

―香川とポジションを入れ替えることも多かったが?

「(香川)真司も自由に動くタイプなので、基本的に形を決めずにやっていた。まだまだの部分も多いけど、初めて並んでやった割にはスムーズにできた」

●MF香川真司(ドルトムント)

「立ち上がりのゴールはセットプレーだったけど、ああいう形で取れたのはすごく大きかった」

―サイドチェンジが効果的だった?

「左で持ったときは逆を見ることを意識しているし、両サイドバックが基本的に高い位置を取るので、それは自分たちにとって大きい。パスコース、攻撃の幅が広がっている」

―6-0というスコアだったが?

「今日はいいところがたくさんあってよかったと思う。前半から球際だったり、セカンドボールだったり、そういうところで戦っていたからこそ、こういう結果が出たと思う。チームとして連動して戦えていた。ただ、もっと厳しい相手とやったときにどこまでできるかを常に意識してやらないといけない。次のオーストラリアはアジアで一番守備の固いチームだと思う。次の試合も同じようにいい戦いができるかどうかは分からない。しっかり準備してやっていけたら」

―今までの試合との違いは?

「みんなアグレッシブに戦えていた。その中で前半に2、3点取れた。ああいう戦いがホームでできれば、より簡単な試合になると思う。ただ、アジア杯やW杯は常にアウェー。これからもっともっと厳しい戦いが待っていると思うので、それを想定してやっていきたい」

●MF長谷部誠(フランクフルト)

「アンカーは初めてのポジションだったので、頭を使わないといけないと思って、あまり前へ行かないようにリスクマネジメントを考えてプレーした。攻撃も守備も前(ザックジャパン)とは違っている」

―本田のゴールにつながったボールは狙ったのか?

「全然狙っていなかった。普通にクリアしただけ。でも良いところへ行った」

―6-0というスコアについては?

「相手がもう少しレベルの高いチームなら、個人技で打開してきたと思う。それでも6-0で勝てるというのはなかなかない。それは評価できる」

―キャプテンに復帰したが?

「個人的にはいろいろ思うところはあるけど、光栄なことなのでまっとうしたい」

―これまでは本田が3試合でゲームキャプテンをやっていたが?

「(本田)圭佑はキャプテンシーを持ってやっている。そういう選手が増えてくればいい」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)

―久々のゴールになったが?

「やっと入った。今日のテーマは勝つことだったので、W杯に出ている相手に対してこれだけ点が取れて、いい形もたくさん出せた。このスタジアムに日本代表として帰ってきて、しかも点が取れて勝ったのはうれしい」

―試合前から西川にゴールを決めてゆりかごダンスをすると言っていた?

「そのあと5点取られて、かすんじゃったけど、取れてよかった。バースデーゴールでお祝いできてよかった」

―試合内容も良かった?

「ボール回しのテンポも良かったし、やろうとしていたことをピッチで表現できた。守備でもリスクマネジメントをして、カウンターに備えて、失点をゼロに抑えられたのはよかった」

―やり慣れているメンバーだったが?

「ベテランの選手、経験のある選手が入ったことで、9月よりはチームが引き締まったと思う。アジア杯に向けて、ベテランも若手も関係なくアピールしていかないといけない状況の中でこういう戦いができたのはよかった」

―試合勘は?

「立ち上がりに数回、パスミスがあったけど、そこだけ。そんなに違和感はなかった」

●DF内田篤人(シャルケ)

「隣にヤットさん(遠藤)がいて、前に本田さんがいて、周りの人間が代わったけど、どっちにしてもボールを持てて回せる人。1タッチ、2タッチで簡単にはたくイメージを持っていた」

―W杯のメンバーが中心でやりやすかった?

「メンバーはザックさんのときのメンバーが戻ってきたけど、やっているサッカーというか、戦術は違う。ベンチからの指示があまりなかったので、自由にやった」

―本田との関係は?

「得点のシーンも、本田さんが下がろうとしていたから『下がってくるな』と言った。彼が前で仕事をしてくれれば。強さがあるし、ドリブルで突っかけられる。自分が守備を負担して、(本田が)戻らなくていいサポートをしたい。それは本田さんだけじゃなくて、右の前にいる人の特長を生かそうといつも思っている。僕が上がれば、左利きの選手はシュートを打てる形に持っていける。DFからすれば、嫌な2つのコースができる」

―準備期間は短かったが?

「グラウンドの中に入ってやってみないと分からない部分はたくさんある。早い時間に点が取れて、いいリズムができた」

―新しいチームの方向性は見えた?

「細かい指示はないし、自分たちで考えてやっちゃっていいのかなと」

●DF酒井高徳(シュツットガルト)

「チームと代表では同じ左SBでも違いはあるけど、自分の中では思い切りやれたと思う」

―以前は長友や内田に対して気遅れがあるというようなことを言っていたが?

「以前は代表に入ると“足を引っ張らないようにしよう”とか“マイナスの影響を与えないように大事にサッカーをしなければいけない”とか、受け身になっている自分がいた。でも今は新しい監督になって、失うものは何もないと思ってやっている。やりたいことを出せていることが今までと違うと思う」

―今日のプレーは?

「サイドバックはDFだけど、自分では守備だけではないポジションだと思っている。今日は6点入ったのにアシストも付いていない。FWみたいな言い方になるけど、やっぱり結果を残さないといけないと思っている」

―中盤に遠藤、長谷部、右サイドバックに内田選手が入ってどうだった?

「僕ら若手はまだまだだと思った。もっと若手が頑張っていかないと」

―遠藤が入って中盤がよく連動していたが?

「ヤットさん(遠藤)にはオーラがある。落ち着きもある。(本田)圭佑くんや(香川)真司くんにも落ち着きがあるけど、ヤットさんがいると落ち着くというのはある」

●GK西川周作(浦和)

●GK西川周作(浦和)

―監督には何と言われた?

「監督には『残り10分という短い時間だけど、いつもしっかりやっているから出られるんだ』『残り10分、しっかり抑えてくれ』と言われて出た」

―予定通りだった?

「出る予定はなかったけど、後半残り15分くらいに『ラスト10分行くからな』と監督に言われた。ハーフタイムにもボールを使ってシュートを受けたりしていて体は温まっていたし、頭の中もしっかり整理されていた。良い準備をしているのを監督が見てくれたのだと思う」

―大量リードで余裕もあったのでは?

「今日は監督がミーティングで6-0で勝つと言っていて、実際にしっかり6点取っていたので、1点もやれないという気持ちでいっぱいだった。集中してやった」

―こういう出方は珍しい。今までと違ううれしさもあるのでは?

「見てくれているからこそチャンスを与えてくれたと思っているし、点差が開いているからというのではないメッセージだということを自分でも受け取ったつもりです。個人的にも家庭にお祝い事があって監督もそういうことも考えてくれてピッチに出してくれたというのもあると思うので、ありがたかった」

―初めて代表に招集されてから初出場まで3年くらいかかって、今も、正GKに近づいているけど時間もかかっている。正GKへの距離感を今どう感じている?

「前よりは手ごたえを感じながらやれていると思っているのと、やろうとしているサッカーも所属チームでやっているプレー、自分のプレーを生かせるスタイルでもあるので非常に楽しくやれている。地道ですけど、少しずつチャンスをものにしていきたいなと思っています」

―アギーレさんとのコミュニケーションは?

「返事くらいですけどね。終わった後、監督に(スペイン語で)ありがとうと伝えました」

―ゆりかごダンスもあった。

「1人目のときもゆりかごダンスがあって、前田さんのゴール、しかも埼スタでした」

―麻也が有言実行だったの?

「そうです。僕が決める、奥さんのポイントを上げないといけないって。でも、本当に決めて鳥肌が立ちました。しかも1点目だったし。来いって言ってくれたし、うっちーも呼んでくれたので、しっかりカメラの前でダンスができました。娘にとっても良かったですし、奥さんも一人で頑張ってくれていたので、奥さんにもダンスをささげたいです」

―長女の凜咲(りさ)ちゃんのときは試合の何日前に生まれたのか?

「9月8日なので、試合の3日前です。今回も3日前ですね。予定日は19日だったんですけど、子供の意思で11日に生まれてきて。11月11日って『サッカーの日』って知ってました? 奥さんが調べてくれました。面白いねという話をしていました。自分へのメッセージかなって」

―名前は?

「生まれる段階から考えていました。読み方を奥さんと奥さんのお母さんが考えてくれて、漢字は奥さんが字画を調べて考えてくれました。幸来(サラ)ちゃんです。幸せが来るように。いやぁ、いい名前です。リサも横文字にしたとき、海外でもわかりやすいように。お母さんがずっとリサちゃんとつけたかったようで」

―今日は今までにないアピールにもなったのでは?

「出る前の監督の言葉は、しっかりやっているのを見ているし、お前はできると言ってくれていたので、そこはすごい自信にもなりました」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)