韓国メディア・中央日報の中国語電子版は8日、電子分野で未曾有の業績不振に陥ったサムスンがスマートフォンから「モノのインターネット」(IoT : Internet of Things)へと視点を移しつつあるとする記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C) Kobby Dagan/123RF.COM)

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 韓国メディア・中央日報の中国語電子版は8日、電子分野で未曾有の業績不振に陥ったサムスンがスマートフォンから「モノのインターネット」(IoT : Internet of Things)へと視点を移しつつあるとする記事を掲載した。

 記事は、「脱スマホ」を図るサムスンが現在、「スマートホーム」「モバイルヘルス」などのIoT時代へとシフトしており、同社のシンクタンクであるサムスン経済研究所でもIoT研究に大規模な投資を行っていると紹介した。

 そして、「開放型の革新」を進めるために、従来のサムスングループの経営戦略を統括する部署である未来戦略室による「中央集権式経営戦略」から、各事業部門に対して一定の自律性を与える「シリコンバレー式経営」を積極的に取り入れているとした。また、IoT市場で優位に立つために、弱点であるソフトウェアやコンテンツといった部分において米国やカナダ企業の買収を盛んに進めているとも伝えた。

 さらに、これまで二の足を踏んでいた欧米企業の買収を進めることで、「地域の特殊性」からなかなか国外の優秀な人材が得られなかった状況にも変化が生じているという。記事は、同社の関係者が「世界の優れた人材を獲得できたのも、買収の成果だ」と語ったことを紹介した。

 記事は、同社が「危機のトンネル」を打破するにはさらに多くの時間を必要とするとの指摘がある一方、ソウル大学の専門家からは「サムスンの組織文化はソフトウェア競争力向上のためにより創意、融合といった方向へシフトしている」、「ソフトウェア分野で一定の能力が確保できれば、世界最高レベルのハード競争力も強化することができる」と見解が示されたことを伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C) Kobby Dagan/123RF.COM)