仕事の明暗を分ける「HOW思考」の罠
あなたは仕事のなかでどんな「問題」に直面するだろうか。営業成績をどう上げるか。顧客の要望にどう応えるか。上司とどう付き合うか。事業の可能性をどう評価するか。……内容は千差万別だが、誰もが日々、なんらかの問題に出くわし、その解決に取り組んでいることだろう。
では、そうした問題解決に取り組む際、あなたは確固たる指針や方法論を持っているだろうか。うまく対処できるケースと、できないケースでは、何が違うのだろうか。
「ビジネスは日々、問題解決の連続である」。にもかかわらず、その「考え方」を知らないがゆえに、効果的な問題解決ができず、無駄な努力や先送りなど、望ましくない解決策がとられている例が、あまりにも多い。――そんな強烈な課題認識から、敏腕コンサルタントが構想から10年かけてまとめあげたのが、『問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術』(高田貴久・岩澤智之/著、英治出版/刊)だ。
著者の経営するプレセナ・ストラテジック・パートナーズは、トヨタや三菱商事はじめ多くの大手企業から圧倒的に支持される問題解決の研修を実施している。その研修内容を一冊にまとめたのが本書。これまでに受講した大勢のビジネスパーソンとのやり取りを踏まえ、日本企業と日本人ビジネスパーソンの陥りやすい間違いを特に意識して記されたテキストだ。
たとえば、特に重要なポイントとして語られるのが、「HOW思考の落とし穴」。問題に直面した際、その問題の本質をしっかり見極めることなく、ただちに解決策(HOW)に飛びついてしまうことを指す。これは非常に多くの人が陥りやすいポイントだという。たしかに、会議などで何かの問題が取り上げられれば、すぐに具体的な解決策を考え、対応しようとしがちかもしれない。また、そうするのが優秀な人だというようなイメージもありそうだ。
しかし著者は、問題解決は「手順」を踏んで行うことが極めて重要であり、そこを間違うと容易におかしな結果になると述べている。その手順は極めてシンプル。WHERE、WHY、HOWのステップである。解決策(HOW)を考える前に、そもそもどこに問題があるのか(WHERE)、その原因は何か(WHY)を考えなければならないのだ。
身近な例でたとえるならば、「体調が悪い」と言う人に対して、具体的な症状も原因も知らずに「病院行けば?」と解決策を示しても、まったく的外れなこともあり得る(相手はただの二日酔いかもしれないのだ)。
一見当たり前の話のようだが、それが当たり前にできているかどうか。ビジネスの現場では、自分もHOW思考の落とし穴に日々陥っているのかもしれない。そして仕事を必要以上に複雑に、難しくしてしまうのだ。
少しでも心当たりがある人には、本書は大きな助けとなるだろう。問題解決のステップがシンプルで説得力ある枠組みで示され、丁寧な解説はまるで実際に研修を受けているかのようだ。また、ステップごとに実践の場面をイメージしやすいストーリー(架空の企業における問題解決の話)も付いている。
変化が激しく、先行き不透明な現代。どんな問題に遭遇しても適切に対処できる人になるために、「問題解決」を本書で体系的に学んでみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
では、そうした問題解決に取り組む際、あなたは確固たる指針や方法論を持っているだろうか。うまく対処できるケースと、できないケースでは、何が違うのだろうか。
著者の経営するプレセナ・ストラテジック・パートナーズは、トヨタや三菱商事はじめ多くの大手企業から圧倒的に支持される問題解決の研修を実施している。その研修内容を一冊にまとめたのが本書。これまでに受講した大勢のビジネスパーソンとのやり取りを踏まえ、日本企業と日本人ビジネスパーソンの陥りやすい間違いを特に意識して記されたテキストだ。
たとえば、特に重要なポイントとして語られるのが、「HOW思考の落とし穴」。問題に直面した際、その問題の本質をしっかり見極めることなく、ただちに解決策(HOW)に飛びついてしまうことを指す。これは非常に多くの人が陥りやすいポイントだという。たしかに、会議などで何かの問題が取り上げられれば、すぐに具体的な解決策を考え、対応しようとしがちかもしれない。また、そうするのが優秀な人だというようなイメージもありそうだ。
しかし著者は、問題解決は「手順」を踏んで行うことが極めて重要であり、そこを間違うと容易におかしな結果になると述べている。その手順は極めてシンプル。WHERE、WHY、HOWのステップである。解決策(HOW)を考える前に、そもそもどこに問題があるのか(WHERE)、その原因は何か(WHY)を考えなければならないのだ。
身近な例でたとえるならば、「体調が悪い」と言う人に対して、具体的な症状も原因も知らずに「病院行けば?」と解決策を示しても、まったく的外れなこともあり得る(相手はただの二日酔いかもしれないのだ)。
一見当たり前の話のようだが、それが当たり前にできているかどうか。ビジネスの現場では、自分もHOW思考の落とし穴に日々陥っているのかもしれない。そして仕事を必要以上に複雑に、難しくしてしまうのだ。
少しでも心当たりがある人には、本書は大きな助けとなるだろう。問題解決のステップがシンプルで説得力ある枠組みで示され、丁寧な解説はまるで実際に研修を受けているかのようだ。また、ステップごとに実践の場面をイメージしやすいストーリー(架空の企業における問題解決の話)も付いている。
変化が激しく、先行き不透明な現代。どんな問題に遭遇しても適切に対処できる人になるために、「問題解決」を本書で体系的に学んでみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)