アートディレクターが教える シェアしたくなるデザインやPRのツボ
今、企業を最も悩ませていることの一つが“PR”ではないでしょうか。
あまりお金をかけることはできない、けれど多くの人に届くPRをしたい。さらに、外向けのPRだけでなく、内向け、つまり社員のモチベーションをあげるようなこともしたい。でも、SNSなどでいろいろ試したところでまったく人は集まらない…。
どのようにすれば人の目を引き、自分たちに魅力を持ってもらえるのか。その一つの解として「視覚を制するものはビジネスを制する」と言うのが、アートディレクターのウジトモコさんです。ウジさんは広告代理店や制作会社で大手企業のクリエイティブを担当したのち、ウジパプリシティーを設立。デザインを経営戦略と捉え、視覚マーケティングを提唱しています
そんなウジさんのメソッドがつまっているのが『問題解決のあたらしい武器になる視覚マーケティング戦略』(クロスメディア・パブリッシング/刊)。ここでは本書第6章の「魅力的に見せる」をご紹介します。
■統一感がブランドの価値を向上させる
人気あるブランドのデザインは質が高いと感じることが多いはず。それはどうしてなのでしょうか。ウジさんいわく、そういった企業はビジュアル面でのイメージの統一やアイデンティティの確立がとても上手だから。そして、そのブランドが展開する世界観はもちろんのこと、きめ細やかなサービスやロゴグッズにも魅了され、ファンはますます好きになるのです。
ウジさんが注目している企業に、沖縄の「ザ・テラスホテルズ」というホテルグループがあります。そのグループはロゴの使い方がとても上手で、客室にある簡易歯ブラシやティーバッグなどにもさりなげなく同じロゴを入れています。ちょっとした備品でも、そこに気の効いたデザインのロゴが入るだけでブランド価値が高まり、「おしゃれ」「素敵」という声があがるのです。
実はこうしたデザインやロゴの統一が、アイデンティティの確立とブランドの回復や新しい価値を創造することにつながることはいまだに理解されてないとウジさんは言います。目に届くところすべてが、その企業のブランドになるということは、知っておくべきでしょう。
■伝えたい強み――「らしさ」を全面に押し出す
続いては、岩手県宮古市にある「浄土ヶ浜」という海岸の例です。リアス式海岸の非常に美しい風景が広がる場所なのですが、あなたがもしこの景勝地を広報として売り出すとしたら、どのようにしますか?
ウジさんの答えは、世界にたった一つしかない「美しい風景」を全面に押し出すということ。
SNSやメディアで「思わず息をのむ絶景」「死ぬまでに一度見ておきたい風景」などの見出しが躍るように、人は圧倒的な風景に魅了されます。そして「浄土ヶ浜」の最大の強みこそ、その圧倒的な景色だったのです。その風景は、長い時間積み重なってできた、その土地のアイデンティティの固まり。もちろん料理なども強いウリにはなるのですが、全部を一斉に押し出してしまうとぶれてしまいます。強みになるものをシンプルに打ち出す。それが大切だとウジさんは述べます。
インターネットが普及したことによって、企業のPRや販促のやり方は大きく変わりました。優れたデザインが良いとされるなかで、リアルも、そしてネットでも趣向を凝らしてユーザーにアプローチしていかなければいけなくなりました。そうした中で、アートディレクターと呼ばれる人たちはどのように考えて「デザイン」をしているのか。その頭の中を垣間見ることができるのが、この『問題解決のあたらしい武器になる視覚マーケティング戦略』です。ちょっとした工夫、ちょっとした変化で大きなリターンが得られる可能性があるのが、PRの世界。悩みが一気に解決するかもしれない一冊です。
(新刊JP編集部)
あまりお金をかけることはできない、けれど多くの人に届くPRをしたい。さらに、外向けのPRだけでなく、内向け、つまり社員のモチベーションをあげるようなこともしたい。でも、SNSなどでいろいろ試したところでまったく人は集まらない…。
どのようにすれば人の目を引き、自分たちに魅力を持ってもらえるのか。その一つの解として「視覚を制するものはビジネスを制する」と言うのが、アートディレクターのウジトモコさんです。ウジさんは広告代理店や制作会社で大手企業のクリエイティブを担当したのち、ウジパプリシティーを設立。デザインを経営戦略と捉え、視覚マーケティングを提唱しています
■統一感がブランドの価値を向上させる
人気あるブランドのデザインは質が高いと感じることが多いはず。それはどうしてなのでしょうか。ウジさんいわく、そういった企業はビジュアル面でのイメージの統一やアイデンティティの確立がとても上手だから。そして、そのブランドが展開する世界観はもちろんのこと、きめ細やかなサービスやロゴグッズにも魅了され、ファンはますます好きになるのです。
ウジさんが注目している企業に、沖縄の「ザ・テラスホテルズ」というホテルグループがあります。そのグループはロゴの使い方がとても上手で、客室にある簡易歯ブラシやティーバッグなどにもさりなげなく同じロゴを入れています。ちょっとした備品でも、そこに気の効いたデザインのロゴが入るだけでブランド価値が高まり、「おしゃれ」「素敵」という声があがるのです。
実はこうしたデザインやロゴの統一が、アイデンティティの確立とブランドの回復や新しい価値を創造することにつながることはいまだに理解されてないとウジさんは言います。目に届くところすべてが、その企業のブランドになるということは、知っておくべきでしょう。
■伝えたい強み――「らしさ」を全面に押し出す
続いては、岩手県宮古市にある「浄土ヶ浜」という海岸の例です。リアス式海岸の非常に美しい風景が広がる場所なのですが、あなたがもしこの景勝地を広報として売り出すとしたら、どのようにしますか?
ウジさんの答えは、世界にたった一つしかない「美しい風景」を全面に押し出すということ。
SNSやメディアで「思わず息をのむ絶景」「死ぬまでに一度見ておきたい風景」などの見出しが躍るように、人は圧倒的な風景に魅了されます。そして「浄土ヶ浜」の最大の強みこそ、その圧倒的な景色だったのです。その風景は、長い時間積み重なってできた、その土地のアイデンティティの固まり。もちろん料理なども強いウリにはなるのですが、全部を一斉に押し出してしまうとぶれてしまいます。強みになるものをシンプルに打ち出す。それが大切だとウジさんは述べます。
インターネットが普及したことによって、企業のPRや販促のやり方は大きく変わりました。優れたデザインが良いとされるなかで、リアルも、そしてネットでも趣向を凝らしてユーザーにアプローチしていかなければいけなくなりました。そうした中で、アートディレクターと呼ばれる人たちはどのように考えて「デザイン」をしているのか。その頭の中を垣間見ることができるのが、この『問題解決のあたらしい武器になる視覚マーケティング戦略』です。ちょっとした工夫、ちょっとした変化で大きなリターンが得られる可能性があるのが、PRの世界。悩みが一気に解決するかもしれない一冊です。
(新刊JP編集部)