1990年代後半から2000年前後にかけ、西川口が“NK流”と呼ばれる一大風俗発祥の地としてもてはやされていた頃、群馬県でもNK流のサロンが大人気となっていた。

県内の主要都市である伊勢崎(いせさき)、桐生(きりゅう)、太田、館林(たてばやし)には規模の大小こそあれ「最後まで●●る」がキャッチの本サロがあり、なかでも人気が高かったのが伊勢崎と太田。

10年ほど前、東武伊勢崎線太田駅南口から延びる南一番街は「えっ、こんな駅前のメインストリートに堂々と!?」と驚くほど本サロ店が30軒ほど密集する一大歓楽街となっていた。

そのにぎわいは全盛期の西川口に劣らない盛況っぷりで、市内にある大企業の工場で働く若い男性たちが街に繰り出しキャバクラで遊んだ後、大1枚の料金で一発遊ぶのが定番とされた。

本サロ街で働いている女のコは若くて素人臭がプンプン。うまく口説けばノースキンやAFなどのプレイを追加料金なしでOKしてくれたり、電話番号を聞き出して店外デートもできるなど店の教育も緩かった(笑)。

だが、2005年頃から行政主導で健全化が始まり本サロ店は壊滅。駅前の再開発も進み、街の様相は一変。南一番街はキャバクラやセクキャバが林立する健全な歓楽街となっているが、熱すぎるほどのギラギラ感は霧散していた。

裏風俗は残るものの中国系アジアンエステなどでぼったくりやトラブルの危険性も低くない。

一方、伊勢崎の本サロ街は東武伊勢崎線伊勢崎駅から500mほど離れた緑町近辺にあった。昭和の風情も残る歓楽街で飲食店と風俗店が混在。

かつてはスナック風の本サロ店が10軒ほど、大1枚で女のコと最後までできた。地元出身の風俗ズレしてないコばかりなのにサービスの質は高く大人気だった。

だが、やはり05年頃に一斉摘発が行なわれ衰退。今回訪れると、店舗はそのまま空き家となっていたが、新たにガールズバーやスナックに業態を変えた新規店もあり、近くの駐車場職員が「何軒か女のコの連れ出しがありなとこも残ってるよ」と、こっそり証言してくれた。
群馬県の本サロ街が消滅、代わってここ最近、脚光を浴びるようになったのがお隣の栃木・小山(おやま)市にある本サロ街である。

もともと小山には10軒ほどのピンサロが点在しており、最後までのサービスを行なう店も多かったのが、群馬が壊滅した結果、近隣から多くが車や電車を使い遠征するようになって評判に。

今では20軒近い本サロが駅前の徒歩圏内で張り切って営業中と聞き、早速行ってみた。場所はJR小山駅の西側で宮本町、本郷町、城山町界隈(かいわい)に密集していた。

この街の特徴は、日本人と韓国や中国などアジア系の2種類がはっきり分かれているところ。店の前に立っている客引きに聞けば、どちらのタイプなのかはっきりと教えてくれ、アジア系店舗は女のコをモザイクなしの顔写真で選ぶことができる。

ただ、どの店でもほぼ同じ彼女の写真が出てくるなど、店舗とは別の場所に待機し、そこからかけ持ちで派遣されるようだ。そのためフリーで入った場合、30分ほど待たされることが判明。

日本人の店は写真での顔見せなしだったり、モザイクや手で顔を隠しているため体形しかわからない。年齢もアジア系と比べると高めで2割ほどサバを読んでる?印象だが、人気は高く、店によっては予約で早々に埋まり待ち時間も長い。

料金はいずれも同じで30分大1枚。指名で小1、2払う場合も。会話やサービスに重点を置くなら日本人、容姿や若さを取るならアジア系と遊び方は好みで選べるというわけ。

今回、日本人と遊んでみて面食らったのがプレイルームが異様に暗いこと。目が暗闇に慣れても女のコの容姿や体形がほのかにわかる程度の照明しかない。

これがほかの地域なら悪質店を疑うほどだが(苦笑)、理由は地元出身のコがほとんどで顔バレを極端に警戒しているからのようだ。最初はヤバいかもと不安になり慌てるが、ご安心。

サービスの内容も十分高い。土地柄か気立ても良くフレンドリーなコが多いので短時間でも薄暗さが逆に親密感すら煽(あお)る。

「東京から車に相乗りして来る人たちもいるんだよ。高速代出しても安いって。ホントかな」なんて、ホンワカする会話は、アジア系には求めるのが難しいところ。

とはいえ、サービス内容は同じなので、しゃべりが苦手な人向きにいいかも…。確かに、車で遠乗りしてでも再訪したい隠れた穴場が、北関東にしっかり誕生していた。

(取材・文/オフィス五稜郭)